高速な表示と豊富な機能で、“第3のブラウザ”として人気を集める「Opera」の最新版。複数のページをタブ切り替えで表示する「タブブラウザ」をベースに電子メール、RSSリーダ、ダウンロード管理などの機能を搭載する。「Opera 8 for Windows」は、1ウィンドウで複数のページを同時に開き、タブで切り替えながら閲覧できるタブブラウザ。Webページだけでなく、アクセス履歴やファイルダウンロード履歴、メール作成画面などもタブ表示されるため、デスクトップがすっきりと整理される。
特徴のひとつが、充実したアドレスバー機能。アドレスバーにはURLの入力欄や「戻る」「進む」といった一般的なボタンのほか、ページの移動をすばやく行うための「早送り」「巻き戻し」ボタンがある。「早送り」は、例えば検索サイトでの検索結果のように、連続して複数のページがある場合、「早送り」ボタンだけで次のページに移動できるもの。移動用リンクを探してページをスクロールダウンする手間が省ける。「巻き戻し」は、閲覧を開始した最初のページに即座に戻れる機能だ。
アドレスバーのドロップダウンリストでは、アクセス履歴を参照できるほか、ブックマークや、よくアクセスするページをすぐに呼び出せる「Top 10」、Infoseek/Amazonでの検索機能などを利用できる。アドレスバーにキーワードを入力して検索することも可能。「g キーワード」と入力すればGoogle、「i キーワード」と入力すればInfoseekというように、文字の追加だけで検索サイトを使い分けられる。さらに、より一般的な検索バー機能もあり、Google/Infoseek/Amazonなどを直接呼び出して検索できるようになっている。
閲覧を簡単にするための機能はほかにもある。ひとつはRSSリーダ機能。表示中のページがRSSフィードを配信している場合、それを自動検知して、アドレスバーのURL入力欄内にRSSアイコンを表示する。フィードを追加するにはアイコンをクリックするだけでよい。1ページ内に複数のフィードがある場合は、ポップアップメニューから選択できる。
ログインが必要なページでは「認証管理」が便利。ボタンをクリックする(または【Ctrl】+【Enter】)だけでログイン作業を行ってくれる。そのほかにも、ページを開いている状態を保存しておける「セッション」機能、ページ上でテキストを選択して、URLといっしょに保存できるメモ機能など、便利な機能が揃う。
セキュリティ関連機能も充実している。ウィンドウポップアップの禁止やJavaの有効/無効などを簡単に切り替えられる。セキュリティで保護されているサイトでは、アドレスバーに表示されるアイコンをクリックするだけでセキュリティレベルを確認できたり、キャッシュやCookieなどの情報をすべて削除してから全ページを閉じたりといった操作も可能だ。
アドレスバー以外にもタブ切り替え用のページバーなど、多くのツールバーがあり、表示のON/OFFや配置などを細かくカスタマイズできる。ページ自体の表示では、表示倍率を10%単位で指定できるほか、画像の表示/非表示を切り替えたり、スタイルシートを切り替えたりできる。スキンを使って「Opera」自体の外観を大きく変えるといったことも可能だ。
Webページ閲覧以外の主な機能はメニューのほか、「パネル」と呼ばれるツールバー(の一種)からも呼び出せる。「パネル」にはブックマークやメールのほか、「コンタクト」「メモ」「ダウンロード」「チャット」「ネットサーチ」などのボタンを、ユーザの好みで表示させられる。
「コンタクト」は、アドレス帳兼メール送受信履歴といった感じの機能。メールアドレスを登録しておくと、その人とやりとりしたメールだけがフィルタ機能で抽出される。もちろんその相手に新規メールを送ることも可能だ。
「メモ」では、単独でメモを書き込める以外に、Webページ上で選択したテキストをURLとセットで保存できる。ブックマーク+説明文といった使い方をすることが可能だ。
「チャット」は、チャットルームを選択するだけでIRCチャットに参加できる機能。「リンク」は、表示中のページからリンク情報だけを抜き出して表示するもので、ページを移動するたびにリンクが更新される。「あるページのリンク表示に固定する」ことも可能だ。
「ページ情報」は、URLやファイルサイズ、MIMEタイプなどの情報を表示する機能。「ネットサーチ」は、アドレスバーの検索機能と同様の検索ツールをパネル上に表示するものだ。
メール機能は、タブ内を3分割して「フォルダ」「メール一覧」「内容」を表示する。基本的な操作は一般的なメールソフトに近いが、ツリービューには「ニュースフィード」フォルダがあり、RSSフィードを読むことができる。件名などの文字列をもとにメールを振り分けるフィルタ機能や、メール/フィードのタイトルに「重要」「予定」などのラベルを付けることで自動的に抽出してくれる機能などもある。メール本文の下には「クイック返信」というエリアがあり、文字を入力してボタンをクリックするだけで、簡単に返信を送れるようになっている。
マウスによる通常のメニュー/ボタン操作のほか、ジェスチャーによる操作も可能。さらに、追加のライブラリファイルをダウンロードすることで、ボイスによる操作や音声読み上げにも対応する(現在は英語のみ、Windows XP/2000のみ対応)。
そのほか、他のブラウザとの間でお気に入り/ブックマークをやりとりするインポート/エクスポート機能、画面をプロジェクタで表示する際に便利なプロジェクション(全画面表示)モード、携帯情報端末でどのようにページが表示されるか確認できるスモールスクリーン表示モード、表示中のページがHTMLの規格に準拠しているかどうかをワンタッチでチェックできるコードの検証機能などを備える。また、Web標準規格のひとつ「SVG(スケーラブルベクターグラフィック)」に対応し、プラグインなしでSVGを表示できる。