ボクシングジムの練習生になり、スパーリングを通じてボクシングのテクニックを着実に身につけてゆくゲーム。豊富で適切なアドバイスは、元ボクシングジム会長制作のゲームならでは。「実写でボクシング フリー版」は、かつて東京都足立区に実在した「西沢ボクシングジム」を、会長自らがパソコン上に再現した“バーチャル”ボクシングジム。プレイヤーはジムの練習生となり、会長の指導のもと、ボクシングのテクニックを身につけてゆく。
ゲームの中心となるのは、プレイヤーとコンピュータとのスパーリング。ただし、一般的な格闘ゲームとは異なり、ただ「相手に勝つ」ことが目的ではない。事前に会長から与えられた課題をスパーリングで使いこなせているかどうかが重視される。例えば、「フックのマスター」が課題のとき、フックを使わずに相手を倒してもダメ。フックでダメージを与えた上でスパーリングに勝利しないと、会長に評価してもらえず、次のテクニックを教えてもらえない。
習得すべきテクニックは「ジャブ」「防御」「ストレート」「フック」「アッパー」「ボディ攻撃」。最初は「ジャブ」からはじまるが、何度も繰り返しプレイすることで、クリア済みの課題をスキップできる「飛び級」制度が適用されるようになる。
ゲームを開始すると、まず最初に、会長による課題テクニックのレクチャーがあり、以後はそのテクニックをスパーリングで使用できるようになる。操作はキーボードまたはゲームコントローラに対応。レクチャーのあと、サンドバッグ相手に覚えたばかりのテクニックを練習することもできる。
練習が終わったら、いよいよスパーリングだ。ゲーム画面は、リングを真横から見た2D(左が青コーナー、右が赤コーナー)。【←】/【→】で前後に移動し(連続押しで大きくステップ移動)、【Z】キーで「ジャブ」を出す。最初に使えるのはステップ/ジャブと、対戦相手に密着する「クリンチ」だけ。相手の動きに注意し、ステップバックして相手の攻撃を避け、ステップインして鋭いジャブを入れよう。パンチが当たると、相手と自分の状態などでダメージの大きさが変化する。例えば、相手が空振りをした直後など、体勢の崩れているところにパンチを入れることで、大きなダメージを与えられる。
スパーリングの勝敗は、ビッグパンチの有無、終了時の余力、パンチのヒット数と、それぞれ評価ポイントが異なる3人のジャッジによる判定、またはノックアウトで決する。スパーリング内容が会長に評価され、新たなテクニックを教えてもらうことで、「ガード」(【C】キー)、「スウェー」(【C】+後退)、「ダッキング」(【C】+【↓】)や、「ストレート」(【X】キー)などが順次追加される。
スパーリング中の各キャラクタのダメージは、コーナーポスト真下にあるメーターで確認できる。メーターは3種類あり、○印の付いたものが顔面の耐久力、□印がボディの耐久力、∞印が疲労の度合いを示す。さらにその横には、心拍数を示すゲージも表示される。
メーターとゲージは、パンチの切れやフットワーク、回復力などと密接に関連している。相手と自分のメーターを見比べながら戦うことで、無理押しや無駄な攻撃を省いたクレバーな戦い方ができる(メーターや、パンチのダメージを表す数字が見えなくなり、自分の状態が確認できない厳しいラウンドもある)。
プレイヤーキャラが連勝していると、スパーリング前に突如ミニゲームが挿入される。ミニゲームに失敗すると、メーター値の低い不利な状態からスパーリングを開始しなくてはならなくなる。ミニゲームは、威嚇する視線を相手まで届かせるものや、飛んでくるパンチングミットを打ち返すもの、指示されたコンビネーションを正確に打つものなどが用意されている。
体験版では、スパーリングの対戦相手は「野村君」一人のみ。さらに、スパーリング回数10回まで、または「ボディ攻撃」をマスターするまでという制限事項がある。