「TreeDocPro」は、文書の構造をツリーで管理する「Tree画面」とテキスト入力画面とで構成されたアウトラインプロセッサ/メモ帳ソフト。Tree画面で全体構成をつかみながら、文書を作成できる。ドラッグ＆ドロップによるノード追加、テキスト入力画面の2分割表示、文書のHTML出力などの機能を備える。エディタ機能は、切り取り/コピー/貼り付けなど、基本的なものが提供される。

文書作成は「ボトムアップ」「トップダウン」の二通りで行える。ボトムアップの文書作成手法では、ノードを作成して文章を入力し、文書の区切りごとに次のノードを作成する。ノードにはアウトラインレベルを設定して、上下関係を付けることが可能。章の下位項目となる節の部分では、子ノードを作成して文章を入力してゆく。

トップダウンの場合は、目次を作るようにすべてのノードを作成し、ノードを選択して文書を入力するという手順を取る。ノードは、アウトラインレベルに応じた字下げ表示を行うため、視覚的にも階層化がわかりやすい。

ノードの作成は、テキストファイルのドラッグ＆ドロップで行うことが可能。作成済みノードのドラッグ＆ドロップによる移動やアウトラインレベルの変更なども、もちろん可能だ。

作成した文書は、アウトライン/テキストともに自動保存される（もちろんユーザが任意時点で保存することも可能）。テキストは、ツリーとノードごとに名前が付けられたテキストファイルで保存される。

さらに、テキスト一括出力機能で文書をひとつのテキストファイルにまとめたり、HTML変換機能でHTMLドキュメントに変換したりといったことも可能。テキスト一括出力では、段落の出力書式を設定して、ノードの階層構造に対応した章、節、項番号などを付加できる。ノード間に区切り文字やインデント文字を挿入したり、改ページを指定したりといったことも可能だ。

HTML変換では、ノード単位でHTMLドキュメントが作成される。子ノードを持つノードはフォルダが作成され、フォルダの中にHTMLドキュメントが作成される。

「TreeDocPro」を利用して、階層構造を把握しながら文書を作成すれば、文書作成の流れを理解しながら文書を作成できる。一般的なテキストエディタとして利用する用途には不向きだと思うが、コンセプトを理解して使う人には有用なソフトとなるだろう。

開発中に苦労した点
各テキストファイルをまとめて全体の文章をまとめる際、「章・節・項」など、自分の知識だけでは不十分なので多くの人の意見を参考にして開発しました。また、文書作成を効率よく行うにはどのような機能が必要なのか……。結果、Treeの履歴、終了時点の復帰、定型文書の取り込み……など、どのような機能を追加したらよいかを考えるのが苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
基本機能であるアウトラインプロセッサはもちろんのこと、ToDo、備忘録、日記帳など、あらゆるドキュメント作成で利用できます。

今後のバージョンアップ予定
ドキュメント作成後の、後続業務を効率よく行うためにはどのような機能があれば……。まずは、メモのメール送信を追加していく予定です。また、テキストファイル以外（画像ファイル、リッチテキスト、OLEドキュメント(Excel/Wordファイルなど）を効率よく管理する「TreeDocSuper」を開発中です（2005.07.07現時点β版を公開中）。「TreeDocPro」「TreeDocSuper」それぞれのよい点を生かせるよう、相互データコンバージョンプログラムも開発中です。