「かおもっち」は、多数の顔文字をツリーで管理し、すばやく選択・入力できるようにしてくれる顔文字入力支援ソフト。マルチユーザに対応する。収録された顔文字は約1,700個。さらに10個のアスキーアートが登録されている。

メイン画面は、エクスプローラ風のツリービューと、タブ切り替えを併用する方式。タブは、顔文字を入力するための「辞書」、お気に入りの顔文字を登録しておける「お気に入り」、アスキーアート入力用の「AA」、「かおもっち」からクリップボードへの転送履歴を最大50件まで保持する「CB履歴」が用意されている。「辞書」は、「愛」「挨拶」「行動」など、9カテゴリーに分類され、さらに各カテゴリーはサブカテゴリーに分類される。

顔文字の入力は、（1）「辞書」のツリービューでカテゴリー/サブカテゴリーを選択し、（2）入力したいものをリストビューで指定するだけでよい。（初期状態では）ワンクリックでクリップボードに顔文字がコピーされ、ダブルクリックで編集中のウィンドウに入力される仕組み。設定で、顔文字入力後に自動的に【Enter】キーを入力させることも可能。メイン画面からのほかに、ホットキーで「辞書」をポップアップメニューとして呼び出して、顔文字を入力することもできる。

あらかじめ登録済みの顔文字に加え、ユーザが新規登録を行うことももちろん可能。テキストエディタなどで登録したい顔文字を範囲指定し、「辞書」にドラッグ＆ドロップするだけでよい。「D＆D辞書項目追加ダイアログ」が表示され、カテゴリーを指定して顔文字を登録できる。アスキーアートもユーザが新規登録することが可能だ。

Internet Explorerのコンテキスト（右クリック）メニューを拡張して、IE上での選択文字列を「お気に入り」に登録することもできる。付属のieextent.exeを起動し、「Internet Explorer拡張のインストール」を選択・実行するだけでよい。

マルチユーザに対応し、ユーザごとに辞書やお気に入りを保存できるのも学校や会社または家族でパソコンを共有している際には便利だ。逆に、複数ユーザで辞書データを共有することもできる。

複数行に渡るため、IMEの辞書などでは管理できないアスキーアートを管理する機能が付いているのも便利だ。単にアスキーアートの登録と一括入力ができるだけでなく、編集も「かおもっち」の中で行うことができる。

「お気に入り」機能もあり、頻繁に使う顔文字を「お気に入りタブ」に登録することで探す手間を省くこともできる。とても良く考えられた多機能で高機能なソフトである。

苦労した点
辞書の自由度を高めるために、Ver.2.0になったときに辞書形式を一新しました。この変更によって、辞書の階層制限はOSのディレクトリ制限を除き、ほぼ無制限になりました。しかし、こうすることによりソフト側が読み込まなければならない辞書データの数は決まった個数ではなくなりました。そこで辞書に関する処理をすべて改めることになり、必要な処理をするために、自分の初めて試す処理方法が必要なので苦労しました。

ユーザにお勧めの使い方
最新バージョン（現時点では2.0）ではInternet Explorerとの連携機能が追加されました。これはInternet Explorer上で選択した文字列をコピー、このソフトの「お気に入り」画面での新規追加で貼り付けして……などという手順を踏まずに、選択文字列を右クリック、「お気に入り」に追加という手順だけで、「お気に入り」に追加することができる機能です。これを使ってURLを登録すると、「http://」からはじまる文字列は、URLとして開くので、簡単なブックマークとして利用できます。ほかにも、辞書のツリーを利用してのアドレスなど、顔文字だけでなくパーソナルなツールとして使用してみてはいかがでしょうか。

今後の予定
顔文字をメールで送信できる機能やネットワークを使用しての顔文字の検索などを計画しています。URL認識を「https://」などにも対応させる予定です。