コンピュータの思考過程を見たり、棋譜を解析したりといったことが可能な対局将棋ソフト。次の一手回答や詰め将棋回答などの多彩な機能を備え、棋力アップに役立つ。「K-Shogi」は、コンピュータの思考過程を参考にしながら、将棋を学べる対局将棋ソフト。対局の基本はプレイヤー対コンピュータだが、先手と後手の設定を変更することで、プレイヤー同士やコンピュータ同士での対局も可能。TCP/IPなどを利用した通信対局も行える。コンピュータのレベルは「最弱」から「強」までのほか、「長考」「研究」など7種類から選択できる。
特徴のひとつが設定を細かく行えること。コンピュータの使用する戦型は9タイプから選べる。「居飛車」「振り飛車」「矢倉」「美濃囲い」「穴熊」などが用意されている。「平手」のほか、駒落ちで対局することも可能で、「香落ち」「角落ち」「飛車落ち」から「十枚落ち」までの中から指定できる。変則的なプレイ方法としては、例えばコンピュータ同士で途中まで対局させ、おもしろい局面になったらいったん停止し、自分がその続きを指すということもできるようになっている。「入玉宣言勝ちルール」や「千日手を選ぶことがある」「思考ルーチンに乱数を加える」などの設定も、プレイヤーの好みに応じて変更することが可能だ。
対局中の操作はすべてマウスで行う。動かしたい駒をマウスで左クリックしてつかみ、移動先でもう一度クリックして置く。駒の移動が不可能な場所でクリックした場合は、ステータスバーにエラーメッセージが表示され、置くことができないので、将棋の初心者でも安心だ。駒が「成る」ことができる場合には、成るかどうか確認のメッセージが表示される。
対局中は、コンピュータの読み筋をはじめとしたさまざまな情報を「アウトプットウィンドウ」に表示させることができる。「アウトプットウィンドウの表示内容と盤面を見比べながら、次の一手を考える」ということを行えば、初心者の棋力アップにつながる。さらに、「次の一手回答」機能を使って、コンピュータに自分の次の一手を考えてもらい、それと自分自身で考えた手を比較してみるのもよい勉強になる。定跡を探索し、その中から手を選ぶことも可能だ。詰めの場面では、詰める方法を教えてもらうこともできる。
対局中または対局終了後の棋譜を保存する機能もある。対局を一時中断して、あとで続きを行うといったことが可能だ。「他の人の棋譜をもらって、好きなところから続きを指す」といった遊び方ができる。
さらに、読み込んだ棋譜をコンピュータの思考レベルを指定して解析させる「棋譜解析」機能も用意されている。解析の結果は、アウトプットウィンドウに対局中の読み筋の表示と同じ形式で表示される。実際に指された手の評価値と「K-Shogi」の手の評価値の差が大きい場合は「悪手」や「疑問手」であることが示されるので、初心者にとっては参考になるはずだ。
棋譜は、CSA/KIF形式でクリップボードにコピーできるほか、クリップボードから盤面と棋譜(KIF/KI2形式)を読み込むこともできる。KIFファイルから「定跡」を登録することも可能で、「追加の定跡を読み込んで指し手を変更する」こともできる。