二つのテキストファイルを比較し、相違点を色分け表示するソフト。二つのテキストファイルをマージ(合成)して、ひとつのファイルにすることも可能。「diffrencer」は、改行コードを含む文字列から構成された「テキスト」を対象としたファイル比較ソフト。比較対象の指定は、エクスプローラなどからのドラッグ&ドロップで簡単に行える。もちろん二つのファイルが別フォルダにあってもかまわない。比較は行単位で行われる。「双方で内容が異なる行」「一方には存在するが、もう一方には存在しない行」などが相違行として検出される。結果は、2ファイルが左右に並べられた状態で表示され、相違部分が色分けされるので、わかりやすい。
ツールバーには、「次」「前」の相違点にジャンプするためのボタンが用意されている。これを使用すれば、長大なファイルであっても、すぐに次の相違点を表示できる。また、ファイルの内容表示の左側にはスクロールバーが用意され、スクロールバーにも相違点の表示と同様の色付けがなされるため、「両ファイルのどのあたりに、どの程度の相違があるか」もすぐにわかる。色分けされた比較表示のほか、単純に元データのみを表示するモードにもワンタッチで切り替えられる。
「左のみに存在する行」「右のみに存在する行」「行番号」「選択行」などの色は、自由にカスタマイズできる。同一行にも色を付けたり、「同一行は色塗りしない」と設定したりも可能だ。行比較方法も変更することが可能。「改行コードの相違を無視するかどうか」「タブと空白を比較対象とするかどうか」を設定できるほか、特定の一文字を指定して、行の先頭からその文字までと、行の末尾から戻ってその文字までの間のみを比較対象とするといったことも可能。特定の引用符で囲まれた文字列を比較対象から外すような場合に有効だ。
比較アルゴリズムには「通常の比較」のほか、「詳細比較」と呼ばれるモードが用意され、選択できるようになっている。通常の比較では、共通した部分のあと相違点が現れ、再び共通している点が現れれば、その間が追加/削除されたとみなされる。これに対して詳細比較では、相違点のあとで共通点が見つかっても、その共通点についてより長期にわたって比較する。比較時間は長くかかるが、同じブロックが多数含まれるテキストを比較する場合のように、「本当は違う部分を『共通である』と誤認してしまう可能性」が減少する。
そのほか、ユニークな機能として「マージ」機能がある。比較結果を考慮した上で、二つのファイルを合成して一つのファイルを作り上げるものだ。マージ方法は、双方の共通部分のみを出力できるのはもちろん、「共通部分に加え、指定側のファイルにのみ含まれる内容を合わせて出力」「双方に含まれる相違点を合わせて出力」などからが選択できる。出力されたマージファイルと元のファイルとを再び比較する、といったことも可能だ。