民族間の反目からクーデターが勃発し、内戦状態となってしまった祖国に平和を取り戻す、という設定のSFシミュレーションゲーム。近未来を舞台に、機動歩兵を操る国王親衛隊の若き将校が活躍する。「SpiritFire スピリットファイア」は、機動歩兵部隊を指揮してミッションをクリアしてゆく、ドラマ性の高いウォーシミュレーションゲーム。「どのようにミッションをクリアしたか」によってストーリーが変化する分岐型のシナリオが特徴。隠しミッションや隠しアイテムも用意されており、何度でも楽しめる。
ゲームの舞台となるのは「セバスト」という名の架空の王国。この国ではセバスト人とツェルマット人の二つの民族が共存している。しかし、国の中枢を占め、国家の実権を握っているのは全人口のわずか2割程度にすぎないセバスト人。一方、国民の大多数を占めるツェルマット人は冷遇され、時には迫害を受けることすらあった。
高まる民族運動の気運の中、ついにクーデターが勃発する。首謀者はツェルマット人第一主義を唱える退役国防軍将軍のハイデン。彼の命令のもと、ツェルマティア党の武装組織である「カンプアクスト」が首都カレリアに侵攻。国王コルサコフのいるブラジ・ホテルも制圧されてしまう。この未曾有の国難の中、主人公である国王親衛隊第11中隊長のロジャー大尉は、国王救出のため出撃する……といったストーリー。
プレイヤーは、ロジャーの率いる国王親衛隊の隊員たちを操作してカンプアクスト軍と戦い、ミッションごとに提示される勝利条件をクリアすることで、ストーリーを進行させてゆく。ただし、クリア条件は提示されたものだけとは限らず、ミッションによってはクリアの仕方で分岐が発生し、その後のストーリー展開が大幅に変化することもある。
操作はすべてマウスで行う。ゲームの内容は、ターンフェイズ制のシミュレーションゲーム。マップはスクエアマップを採用している。フェイズは敵軍と自軍の2フェイズ。ユニットの操作は、先に移動先を指定し、移動したところでそのユニットの行動を指定する方式だ。操作方法はオーソドックスなもので、シミュレーションゲームに慣れている人ならばヘルプなどを見なくてもすぐにプレイできるだろう。ただし、プレイヤーが操作できるのはロジャーが指揮権を持っている兵士や車両のみ。たとえ自軍のユニットであっても他の部隊の操作をすることはできない。
移動後のユニットに与えられる行動は、「行動終了」「攻撃」「スキル」「武器変更」「機材」の5種類。このうち「スキル」は、ユニットがレベルアップすることで獲得できる能力で、ターゲットとなるユニットの攻撃力を上昇させられるほか、防御力を下降させる、動きを止める、火力を減少させるなど、さまざまな種類のものがある。また「機材」は、いわゆるアイテムを使用するもの。ただし、機体の補修をするための「修復キット」など、リペア機専用の機材も多いので、慣れないうちは注意が必要だ。
ユニットのステータスは、マップ上のユニットを右クリックすることで確認できる。これは、敵味方を問わず、すべてのユニットに対して有効なので、敵を攻撃する前にその能力を確認することで、自軍の被害を減らすことも可能だ。
無事、勝利条件を満たすことができてミッションをクリアすると、ゲームはドラマが進行するイベントフェイズを経てアドベンチャーパートに移行する。アドベンチャーパートでは、仲間と会話してさまざまな情報を収集したり、主人公たちが乗る機体を整備したりすることができる。仲間との会話では時折イベントが発生し、隠しアイテムなどを入手したり、隠しミッションを受諾したりできる。
機体の整備では、機材を購入して武器や装甲を強化したり、リペアアイテムを補充したりといったことが中心となる。装甲はすべての機体で同様に装備できるが、武器は機体によって装備が可能なものと不可能なものがある。
(基地の状況に左右されるため、常にできるわけではないが)各キャラの搭乗する機体を変更することも可能だ。使用する機体によって命中率や防御力、反応力などの能力が異なり、装備できる武装や獲得するスキルなどにも違いがある。強力な機体を使えば、有利になるのは言うまでもない。ただし、各機体には機種によるレベルが設定されており、レベル1の機体からレベル2の機体へは乗り換えることができるが、レベル1からレベル3というようにレベルの離れた機体への乗り換えはできない。また、機体を乗り換えるとパイロットのレベルは1に戻ってしまう点も要注意。