「100マス夫さんII」は、わかりやすいインタフェースが印象的な計算学習ゲーム。「たし算」「ひき算」「かけ算」「わり算」「九九練習」の5種類の計算ゲームからなる。出題は毎回ランダムに行われ、パターンは40億通り以上。「九九練習」の計算は、九九表を完成させる100マス計算で、九九を覚えはじめの人に適している。テンポのよいBGMと豊富な出題パターンで、飽きずに計算練習を行える。計算に不慣れなユーザのために、25マス計算も用意されている。

すべての計算ゲームに共通しているルールは、

マス目の左端列と最上行に表示された数字を計算して、交点となるマスに計算結果を入力する

実際の計算練習は、答えを入力して【Enter】キーを押し、正解していれば次のマスに進めるという仕組み。マス目が完成するまでの時間で、計算の級・段位が認定される。計算にかかった時間や間違った答えを入力したマスは完成時に色分け表示されるので、苦手なパターンをひと目で確認できる。

機能面での特徴のひとつが、計算スピードを上げるためのペースメーカー「ペー坊」。自己のベストタイムや級・段の規定タイム、現在日本の最高タイムなどをペースメーカーとして設定して、競うような感覚で練習できるようになっている。

さらに、ネットランキングにも対応。「たし算」「ひき算」「かけ算」「わり算」の25マス/100マス計算と「九九」のそれぞれのベストタイムを、ボタンひとつで「100マス夫さんII」の公式サイトに転送し、ランキングに参加できる。各ランキングのほかに、4種類の100マス計算の合計タイムで競う「ザ・計算王」という総合ランキングもある。認定された級・段や成績表を印刷できるほか、計算用紙を印刷する機能もある。

「100マス夫さんII」は、四則演算に加えて九九練習もできる100マス計算ソフトだ。ランダムに問題を生成することができ、バリエーションに富んだ出題をしてくれる。通常の100マス計算だけでなく、25マスの問題も作ることができるので、ユーザのレベルに合わせた使い方ができると思う。クリアするまでの時間によって級や段位がついたり、間違った個所を色分けで示してくれたりするので、正確さや計算速度などの目標を作って取り組むことができる。

こうした練習ソフトでは、目標達成の目安を示すことはもちろん、いろいろなギミックでモチベーションを維持させることも必要だが、やはり大切なのはスムーズに使いはじめられることと、使い慣れてきたときに引っかかる操作がないことだろう。「100マス夫さんII」の場合、マトリックス状の100マス計算という、見た目でわかりやすい素材であるため、特に面倒な説明もなく使いはじめられる。インタフェースもよく考えられていて、慣れてきてキータイプのピッチが上がっても違和感がない。

スクールモードで多人数での使用も考慮されており、個人から学校まで使用環境を選ばないのもメリットだ。お子さんの学習用にと考えている人はもちろん、知り合いに教えても喜ばれるソフトだ。

実は、「100マス夫さん」を3年前に作り、ある小学校様やある教育委員会様で使っていただいていました。そして、「もっと学校で使いやすく」という要望などがありました。さらに全国の子どもたちのタイムを競うというアイデアもユーザから出されたので、重い腰を上げて作りました（笑）。級位や段位は協力してくださった小学校の平均タイムなどから割り出し、子どもがやる気をなくさないようにハードルが高すぎたり、低すぎたりしないように注意を払いました。

開発中に苦労した点
バグを見つけ出すのに苦労しました。某小学校の協力を得て、たくさんの児童のみなさんに使っていただき、改良を重ねました。また、ネットランキング対応のソフトを作るのが初めてなので、CGIを一から勉強しなければなりませんでした。ソフトウェアからランキングシステムにデータを転送するのにうまくいかず試行錯誤の日々でした。

ユーザにお勧めする使い方
「100マス夫さんII」でできる計算は、非常に単純な計算です。「たし算・ひき算くらいは幼稚園の子どもでも両手両足の指を使いながらできる」ということもユーザから聞きました（親はまったく計算の仕方を教えていないそうです）。単純な計算だからこそ、繰り返しすれば誰でも定着します。ただ、単純であるがゆえに飽きてしまいがちです。ですから、1日に集中して行うのはお勧めしません。1日1回でもいいので、できるだけ1週間……2週間……1ヵ月……2ヵ月……と継続して行うことが大切です。回数を積み重ねることで、タイムは飛躍的に縮まっていくはずです。

今後のバージョンアップ予定
現在は、級段位と回数、ランキング、最初のタイム、最速タイムしかデータの保存はできませんが、次回のバージョンアップでは、1回1回の成績ログをとり、どのようにタイムが速くなったのかを知ることができるようにしたいと考えています。また、前作が学校単位で使われているので、スクールエディションなんかを作ろうと思います。データの一括作成、認定書の一括印刷、学校・学年・クラスごとのランキング表示など学校で使いやすいようなソフトウェアにしていきたいです。