「はむの森の張紙」は、ウィンドウにあしらわれたハムスター（「はむ」）のキャラが印象的なメモ帳ソフト。非常にコンパクトなウィンドウで常時、デスクトップ上に開いておける。メモにはタイトルをつけてリストで管理できるほか、ファイルへの書き出しも行える。既存のテキストファイルを読み込むことも可能だ。さらに、検索・置換、URLの抽出とアクセスといった機能も備える。ファンシーなウィンドウは、配色を好みに合わせて変更することも可能だ。

ウィンドウはメモを書き込む「MemoBox」と、メモの管理や諸設定を行う「ToolBox」の二つに分かれている。「ToolBox」は通常は隠れており、「MemoBox」の右側にスライドでオープンする。「ToolBox」上には「Save（保存）」「New（新規作成）」「Del（削除）」の各ボタンと、メモを保管する「Library」が装備されている。「Library」は、保存されたメモのタイトル一覧リストで、タイトルを選択してダブルクリックすることで、メモ本文を「MemoBox」に呼び出せるようになっている。

ウィンドウの配色は初期状態で「黒＋2色」。色の濃淡やグラデーションなどを効果的に利用して、シンプルながらシックな雰囲気だ。配色をカスタマイズすることも可能。「Pallet」ダイアログで、キャラクタ、ツールボタン、メモの背景、ウィンドウ周囲を個別に指定・変更できる。キャラクタは9色から、ツールボタンは18色から選択できる。また、「メモの背景およびウィンドウ周囲」では、セットで「Rodi」「Marron」の2種類の配色が用意されている。Mac OS X標準のカラーパレットを用いて、ユーザが任意に色を設定することも可能だ。

メモは、カット/コピー＆ペーストなどの編集のほか、直前の編集操作についての取り消し/やり直しが可能。本文表示は任意の文字フォント/サイズに設定することができる。機能では、「MemoBox」内に表示されているメモ本文を対象に検索・置換を行うことも可能。指定した文字列を一度に置き換える全置換機能もある。

最近は、Macでもディスプレイの表示領域が広がる傾向にあるが、大画面を使えない（筆者のような）環境では、画面表示はなるべく節約したいというのが人情だ。「はむの森の張紙」では、メモ管理用のボタンや文字設定のプルダウンメニュー、Find（検索）のフィールドなどが「ToolBox」上に小さくまとめて配置されている。さらに、Findフィールドは非表示にすることもできるなど、必要な機能をコンパクトな画面内に上手に詰め込んでおり、実用性と小型化を両立させている、といった印象だ。

複数のメモを使うときなど、基本的には2つのウィンドウを開いて使うことになるが、再起動時には必ず最後に使ったメモが表示されるので、MemoBoxだけを使ってスティッキーズのように一時的な覚書として利用することもできるはずだ。

しかし、なんといっても最大の特徴はウィンドウのデザインだろう。“渋いパステル”と呼びたくなるような微妙のカラーリングで、画面の隅においても必要以上に自分を主張しない、というか邪魔にならないのがいい。同じ作者のソフトとして、ハムスターをキャラクターにした「付箋」「テキストエディタ」「ノート」などもあるようだ。色合いは共通ということなので、デザインが気に入ったら合わせて使ってみるのもいいだろう。