「StickOn!」は、デスクトップにさまざまなメッセージを付箋として表示しておけるソフト。作成したメッセージの表示位置や色、サイズは自由に変えられる。もちろん、表示/非表示を切り替えることも可能。複数のメッセージをグループ化し、まとめて操作できる機能や、LAN上の他のパソコンとメッセージをやり取りできる機能がある。

起動すると、タスクトレイに常駐。新規メッセージ（付箋）の作成、メッセージの表示/非表示の切り替え、デスクトップ四隅を基点にした整列といった基本的な操作は、タスクトレイメニューから行える。メッセージで使用するフォントや文字サイズ、背景色などのデフォルト値を設定しておけるのはもちろん、フォント/サイズ/文字色は一文字単位で、背景色はメッセージ単位で指定できる。整列では、メッセージの生成日またはタイトルを昇順/降順で並べ替えられる。

メッセージは、クリッカブルURL/メールアドレスに対応する。メッセージ内に「http://〜」「mailto:〜」などの文字列がある場合、クリックするだけで通常使用するブラウザ/メーラを起動し、当該ページの表示などを行ってくれる。

大きな特徴が、IEで表示されているWebページの文字列から、簡単にメッセージを作成できること。IE上でマウスを使って文字列選択を行い、コンテキスト（右クリック）メニューの「StickOn!へ送る」を選択するだけで、選択文字列がメッセージとしてデスクトップに表示される。

通信機能を使って、LAN上の他のパソコンとメッセージの送受信を行うことも可能。簡易メッセンジャー的な使い方ができるほか、相手が離席中でもメッセージを送信し、デスクトップに貼り付けておけるため、実際の付箋同様の使い方もできる。受信側では、「ダイアログでの確認後に受信する」という設定も可能だ。

「グループ」を作成し、メッセージをグループ単位で管理・操作できることも特徴のひとつ。指定グループに属するメッセージをまとめて削除したり、他のパソコンに送信したりといった操作ができる。

「StickOn!」は、時間指定機能やInternet Explorerからの直接作成、パソコン間のメッセージ送受信機能を備えた付箋紙ソフトだ。付箋紙ソフトは愛用者が多いが、その場で手軽にメモがとれ、わかりやすくデスクトップに配置しておけるのが人気の理由だと思う。総合機能ではスケジューラなどにかなわないが、あちらは使いこなすためにそれに応じた手間が必要になる。なによりオフィスなら机に貼った伝言メモの代役と考えれば、誰でも違和感なく使うことができる。

他のパソコンとの間でメッセージのやり取りができるので、簡単なメッセンジャーとして利用できそうだ。オプションを設定しておけば、着信可否のダイアログをスキップし、付箋紙を自動で受けとれるので不在時の伝言もOK。勝手にメモが増えてゆくのがいやだという人は、着信時に問い合わせるようにできるし、着信そのものを切っておくこともできる。

Internet Explorerのコンテキストメニューに項目を追加して、選択したテキストから付箋紙を直接作成できる機能も役に立つ。（1）付箋紙を作る、（2）コピー＆ペーストする、という手順が省略できるだけでなく、IEコンポーネントを使った他のソフトでも利用できる。ハイパーリンクをクリックすると、メーラやブラウザを起動することもできるので、IEから切り取ったメモを利用するときに便利だ。

「StickOn!」は、手軽に使いやすい付箋紙ソフトの性格はそのままで、応用範囲の広い機能を拡充したソフトといえる。メモの置き場に困っている方はもちろん、すでに付箋紙ソフトをお使いの方にも、一度使い心地を試していただきたいソフトだ。

開発中に苦労した点
難しいことはしていないので、苦労した点もほとんどありません。私が「StickOn!」に望むことは、付箋紙ソフトウェアの機能上のスタンダードとなり、そして他のソフトウェア開発者さんがさらに良いソフトウェアを開発してくれればよいと考えているので、もし、他のソフトウェア開発者さんが興味があれば、技術的なお問い合わせにも応じます。

ユーザに勧める使い方
これといって使い方を想定はしていませんが、売りの一つとしてInternet Explorerから直接メッセージが作成できるので、Web上で調べものをよく行う方にはもってこいだと思います。あとは、グルーピング機能が結構便利だと自分では思っています。Ver.1.1.0.0からはグループにプロパティを設定して、グループ登録時に自動的にメッセージのプロパティを変更できるようになっているので、グループごとに背景色や文字色を変えて管理する場合に非常に便利です。

今後の予定
ここまでは約半年ごとにバージョンアップを行ってきましたが、そろそろアイデアも尽きてきたので、次回のバージョンアップは未定です。アイデア、要望などがありましたら、ぜひお知らせください。