「EYE〜龍の歌声〜」は、「村を壊滅させた真犯人の謎を解く」というテーマを持つファンタジーRPG。主人公は、さまざまな依頼を引き受け、その報酬で生活する冒険者。主人公の国「アルテア」と、魔法を得意とする国「シルヴァーナ」の間では戦争が続いていたが、辺境の地にある主人公の住む小村は、戦争に関わることなく、平和だった。ところがある日、村は突然の襲撃によって壊滅する。村にいたのは自国の正規軍「赤の騎士団」と「ドラゴン」だった。襲撃時に村を離れていて助かった主人公は、瀕死の姉に「首都イシスに逃げなさい」と言われ、多くの疑問と、村を壊滅させた者への復讐心を抱えたまま、イシスで冒険者として生計を立てることになる。

ゲームの最大の特徴は「自由度」の高さだ。プレイヤーは、酒場の「依頼ボード」にある数々の依頼から好きなものを選び、冒険して報酬を得る。依頼の内容は、探し物や訓練補佐、泥棒の手伝いなど千差万別。話の進行上、必須の依頼もあるが、そのほかは無視しても差し支えない。報酬は低いが安全な依頼からこなすのも、最初からどんどん高報酬の依頼を受けてレベルアップさせるのもプレイヤーの自由。一定の依頼をクリアすると新しい依頼が出現し、内容も難しくなる。受けてきた依頼によって、新たに出現する内容が変わってくる。

特定の依頼をこなすと、依頼者やその身内が以降の冒険を手伝ってくれる場合がある。仲間にできるキャラクタは10人以上いるが、パーティを組めるのは4人まで。剣が得意だったり、魔法に秀でていたりと、キャラクタごとに特徴が異なるため、冒険の内容や好みに合わせてメンバーを選択する必要がある。また、仲間にしたキャラクタがレベルアップすると、自動的に通常の攻撃よりも強力な「技」を覚える。主人公は仲間に話しかけることで、覚えた必殺技を教えてもらえる。

戦闘能力重視で仲間を選んだり、あとから手に入れられる「技」を重視してメンバーを決めたりなど、自分でゲームバランスを調整できるのもポイント。パーティの人数を減らせばそれだけ依頼の達成が難しくなるので、難易度を自分で調整できるのもうれしい。とにかく主人公を強くしたいというのであれば、一人でダンジョンを攻略することもできる。あるいは、「すべての技を習得する」という収集目的で仲間を選ぶのも、ひとつのプレイ方法だろう。

ダンジョンによっては、「タイミングに合わせて飛び出すトゲ」や「踏むと火傷をするエリア」といった仕掛けがある。ゲーム後半では暗号を解かないと先に進めないパズル風の罠も登場し、戦うだけでは先に進めないようになっているなど、さまざまな工夫がこらされている。

ゲーム開始時に主人公の性別と名前を決められるほか、ゲーム内で特定の店に行って髪の色などを変更することもでき、キャラクタメイキング的な楽しみ方ができる。さまざまな面から「自由」な「選択」を可能にした、意欲的な作品といえる。

開発中に苦労した点
RPG初挑戦なのに、いろいろと盛り込もうとしたところです。キャラクタたちの個性、数多くのNPCが入り乱れる物語。個々の相関関係までを書ききれなかったのが惜しまれます。2章以降の課題ですね。

ユーザにお勧めする使い方
プレイヤーは最初に「境遇」を与えられます。が、その後の行動は自由。プレイヤーが100人いれば100通りの行動がある。正義と悪。自制と復讐。あなたの意思が物語となっていきます。あとは好きなようにやってください。

今後のバージョンアップ予定
「EYE〜龍の歌声〜」はこれで完成しておりますので、今後、バグ修正以外のバージョンアップは行いません。次回作「EYE2章（仮）」は、「RPGツクール2000」から「RPGツクールXP」に移行する予定です。その分できることが増えましたので、いろいろ挑戦してみるつもりです。