デジタルカメラを使うようになってから、撮影した画像の加工をすることが多くなった。撮るときにあれこれ考えるのはもちろんだが、パソコンに収まってからゆっくりと細かな修正ができるようになったため、1枚の写真というより、素材になってきたというべきだろうか。今回の「Photo Panorama」は、普通に撮影した画像をパノラマ風に加工するソフトだ。画面をワイド化してみると、奥行感というか、立体感が強調されて力強い画像になった気がする。広がった左右の部分に文字を入れたり、別の画像を挿入したりすることができるので、楽しい編集素材としても使えるようになる。
使い方は簡単で、画像を読み込んだら横に引き伸ばしたくない部分をロックして、他の部分をちょっとずつ横に伸ばしていくという感じだ。人間の目は誤魔化されやすいようで、格子模様のような個所でなければ、かなり自然にワイド化していける。引き伸ばす単位のグリッドを細かくしたり、グリッドごとに引き伸ばし率を設定できたりするため、スムーズなワイド加工が可能だ。慣れないうちは中央の主題をロックしたら、端にいくほど拡大率を上げていく、という感じで無理なく引き伸ばせると思う。逆に、元画像を重いきりデフォルメして、例えば2本並んだ樹の間をぐっと引き伸ばして間に別画像を入れるとか、特殊効果的に使ってもおもしろいのではなかろうか。
部分的にアスペクトを変えるのはレタッチソフトでもできなくはないが、やはり専用ソフトだと設定や試行錯誤が格段にやりやすい。デジタルカメラをお持ちなら、一度チャレンジしてみてはいかがだろうか?
(呉 真)