音声読み上げに対応した電子メールソフト。メール本文や操作コマンド、オンラインヘルプなどを日本語で読み上げてくれる。「Voice Popper」は、主に視覚障碍者向けに作成された電子メールソフト。きめ細かな音声対応、キーボードによるシンプルな操作、ローマ字による日本語検索機能などで、初心者・視覚障碍者でも比較的簡単に使えるのが特徴だ。
メイン画面はフォルダツリーと、メール一覧/本文表示兼用の2ペイン。左ペインには、受信箱や送信箱などのフォルダが用意され、フォルダ内のメール数も表示される。右ペインは、操作に応じてメニューコマンド/メール一覧/メール本文などに切り替わる。右ペインのフォルダを選択する場合も、コマンド操作として左ペインで行うようになっている。
メニュー操作にはキーボードのカーソルキーを使用する。【↑】/【↓】でメニュー項目の選択、【→】でコマンドの実行(下位メニューがある場合は、そこに移動)というシンプルな操作。操作のたびに音声読み上げ機能がコマンド名を読み上げてくれるため、メニューが読めない方やキーボードの操作に支障がある方でも確実に操作できる。コマンド選択はショートカットキーで行うこともでき、スピーディな操作も可能だ。
メインメニューには「フォルダ選択」コマンドがあり、ユーザがフォルダを選択することで、右ペインがメニュー一覧からメール一覧に切り替わる。メール一覧でメールを選択すると、メールボックス内の番号とメールの件名、差出人などを読み上げてくれる。さらに、【→】キー/【Enter】キー(実行)により、メール本文を表示する仕組み。ヘッダ部からメール本文までを読み上げ、操作のすべての段階で読み上げをしてくれるようになっている。メール作成画面でも「送信」ボタンや宛先入力用テキストボックスなどにフォーカスが移るたびに、コマンド名やテキストボックス名を読み上げて教えてくれるほか、文字の入力や改行、キャレット(挿入ポインタ)の移動なども、操作内容を読み上げてくれる。
メールソフトの基本機能としては、マルチアカウントへの対応やメールの振り分け機能がある。振り分けルールは「差出人」「宛先」「件名」「本文」などを対象に、任意の文字列を「含む/含まない」「一致する/しない」「始まる/終わる」「正規表現にマッチする」などの条件を設定できる。検索では、【/】のワンキーでダイアログを呼び出せるほか、Migemoによるローマ字検索にも対応する(Migemo辞書ファイルが必要)。
そのほかオプションでは、
- 音声読み上げのスピードやピッチの指定
- 自動受信のインターバル設定
- 「Voice Popper」を標準のメールソフトとして使用するための設定
- 自動改行する桁位置の指定
- 弱視の方のためのフォントサイズや色の指定
などが可能。メンテナンス機能として、データのバックアップ/リストア、重複メールの削除機能などがある。動作には、日本語SAPI音声エンジン(「ProTALKER 97」が推されている)が必要。Migemo辞書ファイルの入手先などの詳細は、作者のホームページを参照のこと。