エクスプローラに組み込んでファイルの操作を容易にするシェル拡張ソフト。ファイルの名前や拡張子、タイムスタンプなどの属性をもとに、条件に当てはまるファイルに対してのみ一括コピーや一括削除を行う機能を追加する。「FileFilter」が提供する機能は、「フィルタリングコピー」「フィルタリング移動」「フィルタリング圧縮」「フィルタリング削除」の四つ。名称からわかるように、ファイルの移動やコピーといった日常的な操作を行うものばかりだ。
操作は一般的なシェル拡張ソフトと同様で、エクスプローラで複数のファイルを選択してから、右クリックでコンテキストメニューを開いて、コマンドを選択するという手順。続いてダイアログボックスが現れるが、このときコピーや移動先のフォルダを選ぶだけでなく、ファイルの種類やタイムスタンプなどの条件を設定することで、合致したものだけを処理対象とできる。
条件のうち、拡張子についてはあらかじめコンボボックスに十数種類が用意されている。画像ファイルやMicrosoft Officeのドキュメントなどをまとめて指定できるほか、ユーザがワイルドカードを使って任意に指定することもできる。もちろん拡張子だけでなく、ファイル名を対象としたフィルタ処理も可能。複数の指定を同時に行いたいときは「;」(セミコロン)で区切る。一度行った設定は履歴に記録されるので、次回以降はあらためて入力する必要はない。
ファイル名の指定以外には、「検索対象にサブフォルダを含めるかどうか」と、「フィルタでヒットしたものを対象から除外する(ヒットしたもの以外を処理する)」という指定が可能。さらにダイアログボックスを展開して詳細設定を表示させると、「変更時間」「ファイルサイズ」「上書き条件」の3項目の指定が可能になる。変更時間は、1週間以内/1ヵ月以内/1年以内および任意の範囲内に更新されたものだけを対象とするオプション。同様にファイルサイズは小(100KBより小さい)/中(1MBより小さい)/大(1MBより大きい)/最小または最大サイズの任意指定が可能だ。上書き条件は「タイムスタンプが新しいものだけを対象とする」か、「上書きせずにパスするか」といった指定ができるのに加えて、読み取り専用ファイルを保護することもできる。
フィルタリング圧縮の場合は、ファイルサイズオプションの代わりに自己解凍書庫作成用のオプションとなる。上書きについても、「新しい書庫ファイルの作成」「既存書庫への追加」「新しいファイルのみを追加」という条件になる。同様にフィルタリング削除の場合も上書き条件がなく、代わりに「いったんゴミ箱に入れるかどうか」と、「読み取り専用ファイルを保護するかどうか」を選べる。
いずれの処理も、終了するとメッセージが表示されるほか、圧縮以外の三つについては、処理結果のログファイルをその場で表示できるようになっている。
コンテキストメニューからコマンドを選ぶ代わりに、目的のフォルダまで右ドラッグしてもよい。右ドラッグの場合、目的のフォルダ上でボタンをリリースした時点でコンテキストメニューがポップアップし、移動/コピー/圧縮のいずれかを選択する(削除を除く)。