「トゥールビヨン」は、「あると便利な機能」「すばやく使えたい機能」などをひとつにまとめたユーティリティ集。非常駐型で、一般的なアプリケーションの起動方法によりメニューを表示するが、デスクトップに作成したショートカットのダブルクリックや、ショートカットで設定できるショートカットキーから起動すると便利だ。

利用できる機能は非常に多彩だ。「現在時刻」「画面モード」など、システム状態表示に関連するものだけで5種類。残メモリ表示では、メモリクリーン機能も搭載する。「CD扉のオープン/クローズ」「全ウィンドウの最小化/ウィンドウに戻す」「特殊フォルダ/アプリを開く」などにもメニューから簡単にアクセスできる。特殊フォルダとは、「お気に入り」「送る」「クッキー」「インターネット一時ファイル」など。特殊アプリには、「ペイント」「メモ帳」などから、「IP設定（Windows 98/Me）」「レジストリエディタ」といったものまで含まれる。

数ある機能の中でも特徴的なものが、

• 便利ツール集
• ランチャー
• 画面キャプチャ機能
• クリップボード拡張関連機能

ランチャーは、「トゥールビヨン」のサブフォルダ「ランチャー」内に作成したショートカットにすばやくアクセスできるもの。「ランチャーフォルダを開く」というメニュー項目が用意されており、アイテム登録を簡単に行える。

画面キャプチャでは、全画面をキャプチャできるほか、「3秒後のアクティブウィンドウ画面を保存」することも可能だ。

数多くの機能の中でも、最も興味をそそられたのは「便利ツール集」に含まれる「1分間タイムマシン」だ。同梱のドキュメントには「何に使うのかは、わかりません」との作者のコメントが付されているが、一時的にパソコンの内蔵時計を変えたい、ということは筆者には結構ある。（1）「日付と時刻のプロパティ」を呼び出して、（2）希望日時に変え、（3）正常時刻に戻す、というのはかなり面倒な作業だ。「トゥールビヨン」を使えば、ダイアログでワープ希望日時を入力する必要はあるものの（当たり前だが）、1分間経てば勝手に元に戻ってくれる。1分間あれば、必要な作業はこなせるので、とても楽だ。

直接、ソフトの機能などととは関係ないが、「トゥールビヨン＝Tourbillon＝渦」という語感のよいフランス語をソフト名にした、作者のネーミングセンスに真っ先に惹かれてしまった。

開発コンセプトのひとつとして、「常駐の必要がない機能は常駐させない」というのがあります。多機能常駐ソフトによくある機能の中には、（ユーザによっては）常駐までする必要はないものが多く、常駐モノが嫌いな人は敬遠してしまいます。そこで、そういう機能は非常駐の形で一つにまとめてしまおう、と考えました。

開発中に苦労した点
技量のなさ故に手間取ったところは多々あれど、基本的に難しいことはしていない（あるいは他人様の公開ソースを流用している）ので、さしたる苦労はしていません。というか、しそうなものには手を出さないようにしています(^^；。強いて言えば、開発言語の細かい仕様を手探りでつかみながらの作業だったことでしょうか。

名前の由来
トゥールビヨン──1795年に天才時計技師ブレゲが発明した画期的な調速機構、またそれを用いた時計のことであり、機械式時計の最高峰。あるいはフランス語で「渦巻」「天体系」の意──。

……というのはあまり関係のない話で、実際のところは「ツール」が「ビヨン」と出るから、という至極わかりやすいものです。この天と地ほどもあるギャップが生み出す極上のハーモニーを、どうか舌の上で転がすように味わっていただきたい。

今後のバージョンアップ予定
まだ追加してみたい機能もいくつかありますし、既存の機能の洗練と増強も図りたいところです。もし「こんな機能を実装してほしい」というご要望があれば、なるべく応えたいと思います。それが「楽に」作れるものであれば、ですけど(^^；。