ソフトを開発しようと思った動機、背景
このソフトは、ネットワークシステムのプレゼンを行うことがきっかけで開発することになりました。通常のプロジェクタでは投影される映像に、1台のパソコンの画面しか表示できないのですが、このときのプレゼンでは商品の性能をアピールするために同時に4台のパソコンの画面を表示したかったのです。市販のリモートコントロールソフトを使うことも考えましたが、同時に複数の接続ができないとか、ファイルの転送にFTPなどのツールを別途使用する必要があるなど、私の要求を満たすソフトが見つかりませんでした。「それなら自分で作ってしまえ」と、開発をスタートしました。苦労した点
開発する上で妥協したくなかった点が二つあります。
■レスポンスの速さ
リモートのパソコンの画面をマウスで操作したときに、瞬時に反応してくれないと違和感が生じます(国際電話で会話するときのような感覚と思ってください)。この手のソフトでは一番重要になる部分だと思います。タイムラグが発生する最も大きな要因は、リモートパソコンのデスクトップ画像を転送する時間です。「Venus」はこの点を考慮し、リモートパソコンの画面を監視して変化した部分を発見すると、その状況を分析して最も少ない量のデータでレスポンスを返すように設計されています。そのためタイムラグがほとんど発生せず、ネットワークに対する負荷も最小限にしたリモートコントロールを実現します。
■ドラッグ&ドロップによるファイルコピー
リモートコントロールをしていると、リモートのパソコンにあるファイルを自分(ローカル)のパソコンにコピーしたいときがよくあります(もちろん逆の場合もあります)。通常、FTPツールやフォルダ共有などを使ってファイルをコピーすることになるのですが、これが意外と面倒です。「Venus」は、自分のパソコンのエクスプローラから、リモートのパソコンの画面のエクスプローラにファイルをドラック&ドロップするだけで、簡単に目的の場所へファイルをコピーすることができます(もちろん逆もできます)。これらの難関をクリアすることで、スムーズで直感的な操作性を発揮することができ、すでにお使いいただいている方々より、高い評価をいただくことができました。
ユーザにお勧めする使い方
このソフトの活躍を期待できるシーンとしては、次のようなものが考えられます。
■1台のキーボードで複数のパソコンを使う
最近では、一人で複数のパソコンを所有しておられる方もめずらしくありません。このような場合に「Venus」をご利用いただけば、1台のキーボード、マウスですべてのパソコンを操作することができます。
■メンテナンス
他の部屋にあるサーバやパソコンの管理はもちろんのこと、ご家族で複数のパソコンをお使いの場合も、わざわざ部屋を移動することなくメンテナンスすることができます。
■自宅から会社のパソコンを使う
インターネットを使って自宅のパソコンから会社のパソコンを操作することも可能です。ただしこの場合、ルータのNATやポートフォワードの設定が必要になります。
■パソコン教育で活用
学校や塾などのパソコン教育や、社内、顧客を対象としたサポートにご利用いただけます。
今後のバージョンアップ予定
今後のバージョンアップについてですが、IP電話との連携を考えております。会話しながらリモートコントロールができれば、利用範囲も格段に広がるのではないでしょうか。また「こんな機能がほしい」など、ご要望があれば、ぜひお知らせください。可能な限り、対応していきたいと思います。
はじめてご利用になる方へ
パソコンにファイアウォールソフトがインストールされていると、「Venus」をご利用いただけないことがあります。このような場合は、「Venus」が使用しているポート(TCP 34477-34480)のポートをファイアウォールの除外リストに追加してください。また、セキュリティ確保のため、「Venus」の「接続パスワード」を必ず設定するようにしてください(設定方法はマニュアルをお読みください)。
(FeelGood)