「世界の国」では、日本政府が国家として認知していない国を含む世界193ヵ国を「アジア」「西アジア」「オセアニア」「アフリカ」「ヨーロッパ」「NIS諸国（旧ソ連邦新独立諸国）」「北アメリカ」「南アメリカ」の8地域に分類し、各地域ごとに「国しらべ」と「国ドリル」を実行できる。

「国しらべ」では、地域に属する国ごとに、首都、面積、人口、言語、通貨、国花といった国の概要と、国旗およびその由来を学習できる。地域ごとに地図が表示され、国の位置や大きさをビジュアルに確認できるようになっている。外務省が提供する「各国・地域情勢」ページへのリンク機能を備え、ワンクリックで当該国の詳細データを参照することが可能だ。

「国ドリル」は、「○○はどこ？」という問題に対し、各地域に属するすべての国の位置を地図をクリックして答えてゆくクイズ。解答と同時に正解/不正解の判定と、現在までの正解率が表示され、不正解の場合は正しい位置が赤く表示される。終了後は、正解率に応じて「不合格」「銅メダル（60%以上）」「銀メダル（80%以上）」「金メダル（90%以上）」の総合判定が行われる。クイズの途中で解答履歴をクリアし、最初からクイズをやり直すことも可能だ。

要望も何点か述べておきたい。まず、自作の問題を作成できる機能がほしい。そうすれば、国の概要等の問題を出題して、位置情報以外の学習にも使えると思う。「国ドリル」を最初からやり直す機能は備えているが、途中で中止するための機能もあるとよいと感じた。

また、用意されているデータを違うアプリケーションで利用してよいのか否かいった、著作権に関する情報を示してくれるとよかった。ドキュメントには、「地図」フォルダ内の各地域の白地図は利用してよいと書かれているが、国旗や外務省のページへのリンクURL、概要等の解説ファイルなども活用してみたいと感じた。

いろいろな要望も述べたが、「世界の国」は丁寧にデータが作り込まれており、「さすが学校の先生が作られたソフト」と感心した。子どもの地理学習はもとより、大人の知識欲も満たすよくできたソフトで、地理学習に興味があるすべての人にお勧めできる。

開発中に苦労した点
世界のすべての国を網羅しているため、各国のデータ集めに苦労しました。また、たくさんの島を抱えている国もあり、島の位置合わせも苦労した点です。国の領域塗りはVBのPAINT機能を使っているのですが、塗る場所の座標合わせが大変でした。

ユーザにお勧めする使い方
アフリカや中南米などの地域は知らない国が多いと思います。知らない国ばかりだとやる気がなくなってしまいますから、まず、日本が属しているアジア地域からはじめ、西アジア、オセアニアというように地域を広げていくと達成感が得られてよいと思います。地域ごとの正解率も表示できますので、完全クリアするまでがんばってください。

今後のバージョンアップ予定
国際情勢が大きく変動する現代では、数年間で国家体制が変わったり、新しい国が生まれたりします。特にアフリカ地域では国データが毎年のように変更されていきます。したがって、この作品の国データも最新のものにするために、定期的に更新する予定です。今後のバージョンアップなどのお知らせは、以下の私のホームページに掲載しますので、そちらをご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~benzen/