「Tree Launcher」の画面（ランチャメニュー）は、エクスプローラからファイル一覧を省いて、フォルダツリーだけを残したようなデザイン。フォルダを開いたり閉じたりする操作は、エクスプローラと同じ感覚で行える。フォルダツリーには、「Tree Launcher」フォルダ内の「Root」フォルダに登録されたショートカット（アイテム）が表示され、ダブルクリックですばやくアクセスできる。

「Root」フォルダ内にはあらかじめ「ペイント」「メモ帳」といったWindows標準のアクセサリや、「Tree Launcher」のReadme.txtなどへのショートカットなどが登録されている。もちろんユーザが自由にカスタマイズを行うことが可能で、「Root」フォルダ内でショートカットやフォルダを作成して、アイテムを追加・変更できる。ショートカットやフォルダの作成は「Tree Launcher」上ではなく、エクスプローラで行う。

起動と同時に自動的にタスクトレイに常駐し、ランチャメニューを最小化すると（タスクバーアイコンが消えて）トレイアイコンだけになる。トレイアイコンは、左クリックでランチャメニューを表示。右クリックでは（ランチャメニューの）表示/非表示の切り替え、またはアプリケーションの終了のいずれかを実行できる。

ツリー構造の表示方法はエクスプローラなどと基本的には同じだが、「Root」フォルダ以下が表示されるという点が異なる。メニュー項目の追加も、エクスプローラ上でショートカットを作成するだけなので、パソコン初心者にとっては最も親しみやすいランチャといえるかもしれない。

ただし、メニューの管理を「Tree Launcher」上からは行えないということでもあるので、ある程度パソコン慣れした人からみると、やや面倒に感じられるかもしれない。「Tree Launcher」上でのドラッグ＆ドロップでショートカットの追加や削除ができれば、かなり便利になるのではないかと感じた。また、登録したショートカットやフォルダは名前順に並べ替えて表示されるようなので、特定のショートカットだけリストの上位に表示させたいといったケースでは、名前の付け方などに小技が必要になる。

総合的に見ると、ヘビーユーザが自分のパソコンをがちがちにカスタマイズするというよりは、「部署内のパソコンの操作をわかりやすく統一したい」「複数の人が共用するパソコンなので、スタートメニューの中から特に重要なものだけ抜き出して整理したい」といった使い方にマッチしそうな印象を受けた。

■ポップアップメニュー形式
《長所》
　　・ サブメニューなどを用いてアプリケーションのグループ分けを行える
《短所》
　　・ サブメニューの階層が深くなると、アクセスに手間がかかる
　　・ ポップアップメニューが毎回消えてしまう

■ボタン形式
《長所》
　・ アクセスが容易
《短所》
　・ グループ分けが行えない

両形式の長所をあわせ持ち、短所をカバーするランチャソフトはどのようなものか考えたときに、ツリー形式のランチャソフトを考えつきました。そのとき「誰かがツリー形式のランチャソフトを作成しているだろう」と思いました。そこで、しばらくの間、探してもみたのですが、発見することができませんでした。探し疲れた私は「自分で作成してしまおう」と決心し、「Tree Launcher」の開発を開始しました。

開発当初は一般公開する考えもありませんでした。そのため、自分の欲する最低限の機能のみを実装し、自分一人が「Tree Launcher」のユーザでした。その後、しばらくして一般に公開しました。自分以外にはツリー形式のランチャソフトというものを欲する人はあまりいないであろうと思っていましたが、愛用してくださる方もおられ、たいへんうれしかったです。中には「Tree Launcher」の紹介ページを作成してくださった方もおられ、作者冥利につきました。

私自身は「Tree Launcher」はランチャソフトというより、プロジェクトランチャと思って使用しています。アプリケーションの登録はほとんど行わず、もっぱら開くことの多いソースコードファイルや文書ファイルを登録しています。

最近では、「Tree Launcher」に拙作の「Link Open」をプラグインのようにして使用する機能を追加したりしています。今後はタスクトレイアイコンのメニュー機能を強化していこうかと考えています。