インターネットに常時接続するようになると気になるのが、外部から自分のパソコンに「攻撃」が行われていないかどうか、という点だ。もっとも、こうした攻撃自体はパーソナルファイアウォールやファイアウォール機能付きのブロードバンドルータを使えば、ほとんどは水際で防げる。しかし、実際に攻撃が防げたとしても、いつまた次の攻撃が行われるかわからない。こうなってくると、いったいどこの誰が攻撃を仕掛けてきたのか知りたくなるのが人情というものだろう。これを知るために、ファイアウォールソフトには、これまでの攻撃を記録した「ログ」ファイルを見る機能がある。
ただ残念なことに、こうしたログには、攻撃してきたパソコンのIPアドレスやホスト名程度しか記録されていない。これだけでは相手が「どこの誰か」まではわからないので、情報としてはあまり価値がないというのが正直なところだ。
「VisualRoute」は、こうしたジレンマを解決してくれる有用なソフトだ。IPアドレスからホスト名を調べるという機能はもちろん、どこからアクセスしてきたかという「国」や市町村の情報までわかってしまうのはなかなかすごい。なんだか、攻撃者に対して「一矢報いる」ことができたような気になってしまうほどだ。もちろん、相手の場所がわかったからといって、何かができるということはそう多くないし、またアクセスしてきた相手も「誰かに侵入されてしまった“踏み台”」である可能性も高い。
とはいえ、相手に対して最低限の情報が手に入るだけでも、攻撃されたという気持ち悪さはかなり解消される。もちろん、攻撃者の追跡以外の用途だけでなく、普段のネットワーク管理などに便利に使えることは言うまでもない。
(天野 司)