ソフトを開発しようと思った動機、背景
米国・Raxco Software社がWindows用のデフラグメンテーションツールの開発を開始したのは、Windowsにはデフラグメンテーションユーティリティが付属していなかったからです。FATやNTFSファイルシステムが断片化を引き起こすことはわかっていましたが、ディスクを1回のデフラグで完全に最適化できる技術や、連続した空き領域を確保する技術は当時ありませんでした。Windows 2000からデフラグユーティリティが内蔵されましたが、依然として問題はありました。Windowsのデフラグツールでは、大容量のハードディスク、断片化が極度に進んだディスクや空き領域が少ないディスク(20%以下)に対してデフラグを行うことができません。また、企業ユーザにとって、Windowsのデフラグツールは、スケジュールや結果を集中管理できないことが大きな問題でした。
「PerfectDisk」は、現在市場にあるデフラグツールの中では唯一、1回のデフラグ実行で最適化を完了できる製品です。また、大容量ハードディスク対応、空き領域の最適化、5%の空き領域さえあればデフラグが行えるという特徴を持っています。さらに、ネットワーク管理機能やネットワークスケジューリング機能も備えており、企業での定期的な使用にも十分堪えうるものです。
開発中に苦労した点
「PerfectDisk」を開発するにあたり、いくつかの挑戦がありました。まず、複数のファイルシステムをサポートすることです。それぞれのファイルシステムには異なるレベルでの複雑さが存在します。NTFSには、Microsoft社がベンダーに対してデフラグ処理を管理するための機能が盛り込まれています。しかし、Microsoftの規約の範囲内で、Raxco社のアイデアを実現するためには、さまざまな制約がありました。これを解決することも開発時の挑戦のひとつでした。
ユーザにお勧めする使い方
オンラインは数日ごと、オフラインは月一度という具合に効率よく、パソコンを利用しない時間帯に自動的にデフラグするようにスケジュールを設定すると効率的です。断片化率が5%程度であれば、デフラグの効果はあまり期待できませんので、断片化率が低い場合には、デフラグをスキップするように設定します。Windows XPでは、起動のたびにブートファイルの最適な位置の記録を行っています。この最適化情報に従ってファイルを再配置するように設定しておくのがお勧めです。
今回のVer.6.0では、ドライブの分析を行うことにより断片化の危険度が赤、黄、緑の信号でわかりやすく表示され、効果が期待できるデフラグ方法も示されます。これらの情報によりユーザーはデフラグすべきかどうかを容易に判断できるようになりました。企業内で使用する場合には、WindowsのActive Directoryとグループポリシーを使用することにより、各コンピュータへの「PerfectDisk」プログラムの配布やデフラグスケジュールの設定、ユーザの「PerfectDisk」の操作権限の設定などをグループごとに管理できます。これにより、各コンピュータの性能を保つための工数を大幅に削減することができます。
((株)ネットジャパン)