パソコンで高画質・高音質のDVD-Video再生を行えるソフトウェアDVDプレイヤー。すでにすっかりおなじみとなった「PowerDVD」シリーズの新バージョンで、上位版となる「Deluxe」のほかに、一部サウンド機能が割愛された通常版がある。「PowerDVD 5」の新機能として、最も特徴的なものが二つの「ストレッチング」機能だ。一つは、通常サイズ(4:3)で収録されたDVD画像をワイド画面(16:9)に伸張するワイド化機能で、「CLPV(CyberLink PanoVision)」と呼ばれる。「CLPV」では、単純に横方向に伸ばすのではなく、ワイドテレビが行っているように、画面の中央付近は伸張度を小さく、両端部は伸張度を大きくすることで、できるだけ自然な感じで画像のワイド化を実現する。逆に、16:9で収録された画像を4:3に圧縮して表示することも可能だ。
もう一つは、再生時間を制御する機能=「タイムストレッチ再生機能」だ。これは、ソフトの再生時間を0.5〜2倍速まで変化させられるもので、いわゆる早送りやスローモーション再生とは異なり、再生中にも音声が出力される。このため時間がないとき、ソフト全体を「早見」したいような場合などに有効だ。
画質の点では、従来から備わっていたカラーコントロール機能を強化。再生される画像の内容に合わせて、明るさやコントラスト、彩度などを自動的に最適化する「CLEV(CyberLink Eagle Vision)」機能が新たに搭載された。
2ヵ国語以上の字幕を収録しているDVDを再生する場合、このうちの2種類までの字幕を任意に選択し、同時に画面上に表示させることが可能。例えば、英語と日本語の字幕を同時に表示させ、対訳を調べるといったこともできる。また、DivXコーデックの搭載により、標準でDivXファイルを再生できるようになった点も「5」での新機能だ。
Deluxe版と通常版の違いは、サウンド機能に集中する。いずれのバージョンでも共通に利用できるのが、ドルビーデジタルAC-3やドルビーサラウンド、DirectSound3Dといった機能。24bit/96kHzという高音質フォーマットも両バージョンで再生することが可能だ。
Deluxe版のみの機能として挙げられるのが、dts音声の再生、2スピーカーでサラウンドを実現するドルビーバーチャルスピーカー、TruSurround XTといったもの。これらのサラウンド効果をヘッドフォンで実現するドルビーヘッドフォンおよびTruSurround XT HeadphoneもDeluxe版のみに搭載される機能だ。
サイバーリンク社独自のマルチサラウンド機能「CLMEI(CyberLink Multi-channel Environment Impression technology)」も新たに搭載された。ステレオ収録された音声を複数スピーカーに割り当てて疑似的にサラウンド化するもので、Deluxe版では8ch、通常版では6chまでのスピーカーに対応する。