ワイヤレスネットワーク機能で複数のパソコンを直接接続し、ファイル共有やメッセージ交換を行うアドホックネットワークを簡単に構築・利用できるユーティリティ。アクセスポイント(AP)を利用する通常設定と、アドホック設定とをワンタッチで切り替えることができる。アドホックネットワークは、Windows XPが持つワイヤレス機能を使うことでも構築できるが、APを利用する通常のワイヤレスネットワークと、アドホックネットワークを簡単に切り替えられるようにはなっていない。このため、接続方式に応じて毎回設定を変更しなければならないという欠点がある。「ブロードバンドチェンジャーII」は、ネットワーク設定のセレクタ機能があり、通常←→アドホックをワンタッチで好きなときに切り替えられるのが特徴。
パソコンにあらかじめ設定されているAP接続用のネットワーク設定を取り込むことが可能で、普段使用するAP用の各種設定(IPアドレス、DNSサーバ、ゲートウェイアドレスなど)は「標準設定」として「ブロードバンドチェンジャーII」に登録される。アドホック機能を使用する他のネットワーク利用形態は、「標準設定」をもとに、ほぼ全自動で構築される。そのためユーザは、IPアドレスの設定やゲートウェイの設定はもちろん、SSID(ESS-ID)やWEPキーといった、ワイヤレス接続に独特のわかりづらい各種設定に煩わされることなく、簡単にアドホックネットワークを共有できる。
利用できるアドホック機能は、コミュニケーション機能とデータ連携機能の二つ。コミュニケーション機能では、
- アドホック接続された他のパソコンに対して任意のファイルを送信する
- 他のパソコンに対してチャット風の画面を用いてメッセージを送信する
- 特定のウィンドウ画像(またはフルスクリーン画像)をキャプチャして他のパソコン画面上に表示させる
といったことを行える。データ連携機能は、アドホック接続された他のパソコンとの間でディスクを共有できる機能で、互いのディスクを自分のディスクであるかのように扱える。また、(ワイヤレスではないが)2台のパソコンをEthernetケーブルで直結し(クロスケーブルが必要)、データ連携を行う「クロスケーブル・データ連携」も利用できる。
そのほか、「フリースポット」や「ホットスポット」と呼ばれる「公衆無線LAN」に接続するための設定も「ブロードバンドチェンジャーII」に記憶させることができる。
「標準設定」をはじめ、「ブロードバンドチェンジャーII」に登録されたネットワーク設定の切り替えは、アイコンをクリックするだけのワンタッチで行える。
※アドホックネットワーク:無線LANで(通常利用する)APを経由せず、ワイヤレス機能を持つパソコン同士を直接、無線で接続して構成するネットワークのこと