Mac OS Xが、次世代Mac OSとして登場して数年。美しいAquaインタフェースや抜群の安定性に満足しながらも、Classic OSで慣れ親しんでいた便利な機能が削られて、不自由に感じているユーザは多い。なかでも「アップルメニュー」の復活を願うユーザは多いのではないだろうか。「AliasMenu」を使えば、OS X上でアップルメニューに近い操作が可能となる。その最大のメリットは、OS X標準のDockなど一般的なランチャやスイッチャとは異なり、「メニューバー上に、最低限の占有領域で配置できる」点だ。しかも、カスタムメニューをアイコン表示にすると、ちょうどWindowsにおける「クイック起動」のようにコンパクトな起動・切り替えボタンとなり、見た目にもすっきりする。特に、もともとたくさんのメニュー項目があるアプリケーションなどでは、表示領域がかなり節約できて、非常に有効だと思う。
もうひとつ注目したいのは、カスタムメニューのデザイン設定の自由度が高い点。メニュータイトルのサイズ(アイコン/テキスト)、メニュー表示の間隔、メニュー項目内(プルダウンするサブメニュー)のアイコンサイズなどのオプション指定や、メニューバー上の表示順の指定(連番による整列/手動入れ替え)、仕切り線の挿入など、画面サイズや好みに応じて調整できる。しかも表示順指定では、システムメニューアイコンの間に置くこともできる点がうれしい。
メニュー項目を登録する際、「AliasMenu」フォルダをユーザホームごとに作成するので、複数ユーザがアクセスしているMacでは、ユーザ別のカスタムメニューを登録しておけば、異なる環境を切り替えて使うことも可能である。
よく使うアプリケーションやフォルダ、環境設定パネルなどをグループ化した階層メニューを作れば、より効率的に多数のファイルやアプリケーションにアクセスできる環境を構築できる。しかも、階層メニューが「フォルダ-サブフォルダ」の関係で作られており、Finder操作の感覚で設定・解除できるため、構造が把握しやすく、初心者でも戸惑いが少ないと思う。非常に多機能だが、メニュー追加操作も簡単でわかりやすいので、Dockだけではちょっと不満に感じていたMac OS Xユーザは、試してみる価値があると思う。
(坂下 凡平)