「The 名刺屋」は、名刺サイズのワークシートに、氏名、住所、ロゴマークといったオブジェクトを配置して、名刺やラベルをデザインするツール。デザイン完成後は市販の名刺用紙に印刷し、ミシン目で切り離せば名刺やラベルとして利用できる。

起動すると簡易ウィザードがはじまり、「テンプレートを利用する/しない」の選択を行える。テンプレートを利用する場合、横5種類、縦1種類の6種類の中から選択し、これをベースに名刺をデザインしていく。テンプレートを利用しない場合は、登録済みの22種類の名刺用紙を選択するか、自由に用紙を設定することでワークシートを表示できる。

テンプレートを利用する/しないにかかわらず、ワークシートでは、オブジェクトの配置を助けるグリッド機能を利用できるほか、オブジェクトが上下に重なった場合の表示順序の指定などが可能だ。文字、図形、画像といったオブジェクトを配置して名刺をデザインしていく。

デザインに利用できるツールは、

• テキストツール
• ポインタツール
• 矩形（正方形）ツール
• 矩形（長方形）ツール
• 円ツール
• 楕円ツール
• 直線ツール
• 画像読み込みツール

文字や図形の描画色や背景色は、画面左下の「F」（描画色）、「B」（背景色）ボックスで設定するか、オブジェクトを選択した状態でコンテキスト（右クリック）メニューを表示して変更することができる。直線を除く図形は、背景色を透明にすることも可能だ。

ワープロソフトやDTPソフト、ドロー系グラフィックソフトなどを利用しても名刺やラベルを作成できるが、「The 名刺屋」は名刺作成に特化しているだけあり、使いやすさの点で汎用ソフトを凌駕している。Windows付属の「ペイント」程度のアプリケーションを使えるユーザなら、操作を習熟するのに時間はかからないだろう。

操作がかなりしやすい点はよかったが、いくつものオブジェクトを配置した場合、選択したいオブジェクトを選ぶのが難しいことがある点や、Undo機能が搭載されていないのが少々残念に感じた。

登録されている用紙は7社22種類。自由設定を選択して、A4、レター用紙、ハガキを用いた名刺・ラベル作成も可能だ。季節柄、新たに名刺を作成する人も多いだろう。自作の名刺を作成するなら、お勧めしたいソフトの一つである。

開発当初、私自身がWindowsのアプリケーションの使い手としては初心者に近いレベルでしたので、直感的に扱えることを最重要視しました。そのため、文字編集、画像の貼り付けや拡大・縮小、レイアウトなど、名刺作成に最低限必要な操作を単純明快に行えるよう配慮しています。

Ver.1.0をリリースしたあとは主観的に考えがちで、知らず知らずの間に使い勝手が損なわれていくこともあるのですが、幸いお客さまから貴重なご意見をいただくことができましたので、それをできる限り取り入れることによって、より使い勝手を向上させることができました。

お勧めの使い方
テンプレート機能を使えば、文字編集をするだけで簡単に名刺が作成できますし、弊社ホームページ上でもサンプルなどの参考情報を掲載していますので、オリジナル名刺の作成の際には、ぜひともご活用ください。さらに、画像の貼り付けや背景画像を使った名刺の作成が簡単にできますので、カラフルな名刺や個性的な名刺を作られたい方は、ぜひともこの機能をご活用ください。例えば、インターネット上のフリー素材集から画像をコピー＆貼り付けし、レイアウトに合わせて拡大・縮小するといった使い方も簡単にできます。

余談ですが、「The 名刺屋」を使ってカードやラベルを作成することもできます。引っ越しの案内、割引券、宛名ラベルやはがきなどへの印刷も比較的簡単に、かつきれいにできますので、絵や写真を入れてひと味違ったものを作成されてみてはいかがでしょうか。

今後の予定
今後も、使い勝手の向上と機能の充実を図るためにバージョンアップを行っていきますので、よりよいソフトウェア作りのために、みなさまからのご意見を心よりお待ちしております。