「Greplace」は、指定したフォルダ配下のテキストファイルを一括で検索・置換できるソフト。検索結果は一覧表示され、内容を確認してから置換を実行できる。検索条件に合致したファイルの中から、さらに置換する/しないを選択することもできる。検索文と置換文には正規表現を利用することが可能で、複雑な規則を使った検索・置換を行える。

メイン画面は大きく分けて、フォルダ選択ビュー、オプション設定エリア、フィルタや検索文などの設定エリア、検索結果を表示するリストビューの四つのエリアから構成される。検索・置換は、（1）メイン画面左側のフォルダ選択ビューから検索したいフォルダを選択し、（2）検索対象となるファイルパターンや検索文・置換文の検索条件、検索オプションを指定する、という手順で行う。検索を実行すると、（検索文を含む）ファイル名、置換前の文および置換後の文、行番号をリストビューに一覧表示する。リストビューでは、選択したファイルを置換対象から除外することができるほか、選択したファイルや、そのファイルを含む親フォルダを開くこともできる。

ファイルパターンの指定にはワイルドカードを使用することがが可能。「；（セミコロン）」を使うことで、複数のパターンを同時に検索することもできる。

検索文・置換文には正規表現を利用することもできる。正規表現のうち、タブ（\t）と改行（\r\n）だけを有効にするオプションも用意されている。「正規表現」オプションを使用すると、正規表現の入力をメニューから選択して簡単に行えるようになる。

検索対象は「ファイル名」「テキスト」「名前＋テキスト」から選択して指定できる。「ファイル名」を指定した場合はファイルの内容は検索せずに、ファイル名だけを対象にする。このオプションを選択することで、テキストファイル以外のファイルも一括リネームを行えるようになる。

メイン画面の構成もすっきりとしたものになっており、特にフォルダ選択ビューは使いやすい。起動中にファイラなどで新規のフォルダを作成しても、即座に反映されるのも便利だ。筆者が感心したのは正規表現をメニューから入力できるところで、これなら正規表現を勉強したての人にでも、簡単に入力することができる。全体の使い勝手も優れており、非常によくできたソフトだと感じた。

その中であえて要望を述べるなら、まずリストビューからのファイルの開き方だ。現在はコンテキスト（右クリック）メニューから辿ることになっているのだが、これをワンアクションで開きたい。もうひとつ、やはりリストビューで、ファイル名や置換前後のテキストをポップアップで見たいということ。せっかくコンパクトに作られているウィンドウをあまり大きく表示したくないので、これもぜひ実装してほしいと思う。

ちょうど正規表現DLL（現在の「Greplace」では使用していませんが）を作っていたころだったので、そのついでに置換前に候補を一覧表示できる置換ツールも作成してしまおうと思い、開発を開始しました。

開発中に苦労した点

あらかじめリストアップしたものを置換するという処理は、検索したものをただその場で置換するのとはまったく異なり、複雑になりました。また、開発に使用している.NET FrameworkはWindowsの機能をすべて利用できるわけではないので、100％満足のいくものはできませんでした。

ユーザにお勧めする使い方
失敗したくない置換に使用するのが最適ですが、検索にヒットした行番号やその内容も表示できるので、単なるテキスト検索ソフトとして使用するのもよいでしょう。

今後のバージョンアップ予定
XML宣言やHTMLのMETA情報など、BOM（バイトオーダーマーク）以外の部分でのテキストのエンコーディングを判別できる機能を付けようかと考えています。

カンパは大歓迎
趣味で開発を行っている以上、それにお金と時間を費やすのは当然のことと考えていますが、個人で負担するには少しばかり重いものがあります。作品のクォリティアップや今後への投資の意味も兼ねてのカンパは大歓迎です。カンパを行いたいという方はメール等で連絡をくだされば、対応します。