「こっぴーくんの手作りものがたり」は、覚えたばかりのひらがなを使って、幼児が自分で文を作り、絵を描いて楽しめる絵本作成ソフト。フルスクリーンで起動する操作画面には、イラスト付きの大きなボタンが配置され、マウスだけで直感的に操作できる。用意されたメニューは「えをかこう！」「おはなしをかこう！」「えほんをみる！」「サンプルをよむ」の四つ。

絵本作成のための操作は、「えをかこう！」で、絵を何枚（ページ）か描き、「おはなしをかこう！」で、1ページごとに文を作るというシンプルなもの。これだけで、左側に絵、右側に文を表示する「絵本」が完成する。作成した絵本は、「えほんをみる！」で、すぐに閲覧できる。

「えをかこう！」では、鉛筆、ブラシ、ペンキ（塗りつぶし）、クリア（全消去）といった、ごく基本的なツールが用意されている。直前（1回）へのUndoも可能だ。描いた絵は「とっておく」「もってくる」ボタンを使って、ページごとに保存・読み込みを行える（保存した絵を任意のページに読み込むというものではない）。

「おはなしをかこう！」では、画面上にひらがなの「文字パレット」が表示される。ここから1文字ずつマウスで選択して入力していく。濁音・半濁音、句読点、「」（カギカッコ）なども用意されている。この画面にも「とっておく」「もってくる」ボタンがある。

描いた絵と、入力した文字とをページごとに組み合わせることで、絵本が完成する。作成した絵本を閲覧できる「えほんをみる」では、「←」「→」ボタンで前後のページに移動するほか、「はじめのページ」ボタンも用意されている。ページ移動時には画面がフェードアウト/インで切り替わり、サウンドが再生される。

やや細かいことになるが、複数枚の絵を一度に描くとき、ページを移る前には必ず「とっておく」を実行する必要があるが、これは、ページ移動時に自動的に保存してくれると、もっと便利になるのではないか。また、絵の作成では、マウスポインタが「鉛筆」型に固定されているが、これは選んだツールの形に変わってほしいところである。もう1点、文の作成では、入力位置を示すカーソルが必要だと感じた。これがあれば、おはなしを1ページ分作ったあとでもう一度全体を見直して、間違えた個所を修正することができるだろう。

文章、絵は各々まとめて作成するようになっていて、絵を見ながら文を書く（またはそ逆）ことができないのが残念。ただし、ともに作成した後の編集はできるので、いったん作成した絵と文を閲覧してみて、おかしいと思ったらそのページを直す、といった使い方が考えられる。こうした「使っていくための補助」が、親の役目になるだろう。

開発中に苦労した点
とにかく幼児が使うというのが前提なので、子どもにとっつきやすくするにはどうすればいいのか、画面の配置などでさんざん悩みました。そのかいあってか、初めてパソコンに触ったというお子さんも上手に空想の物語を披露してくれました。

ユーザにお勧めする使い方
幼児が自分で作った絵本を見せてくれたら、間違った文章でもほめてあげましょう。自信がついて、次々と愉快な物語を作ってくれるかもしれません。自分で文字を組み立てて、文章にする楽しさを知ってもらえれば幸いです。

今後のバージョンアップ予定「ページごとにMIDIやWAVEファイルで自由に音楽を鳴らす」「物語のストーリー上で簡単な分岐をつけてみる」「複数の絵本ファイルを使えるようにする」などです。とにかく急いで作成したソフトなので、追加はどんどん出てくると思います。