仮想フォルダを切り替えることにより、ファイルの検索や表示を簡単に行うことができるファイル管理ソフト。ファイルに設定したタイトルなどをもとに自動的に分類を行い、「バーチャルフォルダ」を作成。バーチャルフォルダを選択するだけで、ファイル検索を簡単に行える。「Kacis マイキャビネット」は、パソコンで扱う文書ファイル、画像ファイルなどを効率よく管理するためのソフト。メイン画面は、フォルダツリー+ファイル一覧にプレビューエリアを加えた3ペイン構成のデータビューア風のデザイン。選択したファイルの内容をプレビューしたり、ダブルクリックで開いたりできる。
ファイルは「マイキャビネット」というデータベースで管理される。ユーザがマイキャビネットの中にフォルダを作成して階層管理することも可能だが、バーチャルフォルダを使うことで、登録したすべてのファイルの中から「タイトル」や「作成日」をもとに簡単にファイルを検索できる。
「標準のフォルダ表示」では、マイキャビネット内の全ファイルをファイル名やタイトル順で表示する(ソート可能)のに対し、バーチャルフォルダ表示では、タイトルや作成日などで分類されたフォルダツリーを表示する。例えば「タイトル」をバーチャルフォルダにした場合、マイキャビネットをルートフォルダとして「あかさたな」の行ごとにフォルダがあり、さらに「あ行」中は「あ」「い」「う」「え」「お」それぞれのサブフォルダに分類される。同様に「年月日」の場合は、ファイルの作成日時をもとに年→月というフォルダ構成となる。これにより、ファイルの登録時にどのフォルダに入れるかを悩む必要がない。逆にファイルを検索する場合にはバーチャルフォルダを切り替えるだけでよく、「タイトル」「作成日」「分類」などで整理された状態で表示してくれる(ハードディスク上では別の場所に保存していても、「Kacis マイキャビネット」上では一括して管理・検索ができるということでもある)。
バーチャルフォルダは、マイキャビネットにファイルを登録したときに指定する「キャビネットカード設定」という文書情報をもとに自動で作成される。キャビネットカードに登録可能な項目は、「タイトル」「タイトルの読み」「作成者」「分類」などの基本的な情報と、「バージョン」「発行者名」「保管期限」「キーワード」などの詳細情報に大きく分けられている。これらの文書情報をもとにバーチャルフォルダが作成され、リストからバーチャルフォルダのタイプを選択すれば、その分類にしたがって整理されたファイル一覧が表示されるという仕組みになっている。
マイキャビネットへのファイルの登録は、デスクトップのショートカットアイコンや「Kacis マイキャビネット」のウィンドウにドロップするだけで簡単に行える。ファイル自体を登録するほかに、ファイルへのリンク情報やURLを登録することもできる。
「Kacis マイキャビネット」のフォルダを開き、リストからファイルを選択すると、プレビューエリアにその内容を表示する。プレビューエリアには4種類のモードがある。「本文」では、テキストやワープロ文書の内容を表示し、「目次」では、「Kacis マイキャビネット」の姉妹製品で作成した書類の目次を表示する。「カード情報」は、キャビネットカード設定の内容を一覧形式で表示する。「プレビュー」では、静止画やマルチメディアファイルを表示・再生する。
プレビューエリアで表示できるファイル形式は、文書ファイルが、Word/一太郎/テキスト/リッチテキスト/Kacis書類/Kacis Book書類/クラリスワークス/PDFなど。静止画は、BMP/JPEG/TIFF(LZW圧縮除く)/PSD(Photoshop 6.0以降を除く)/PICT/PNG/ICO/CURなど。マルチメディア系形式ではWAV/MID/MP3/AVI/MPEGの再生をサポートしている。
そのほか、ファイル本文およびキャビネットカード内の文字列検索、キャビネットカードのインポートおよびエクスポート、ファイルリストに表示する項目のカスタマイズ、ネットワークを使ったサーバ版・Kacis Cabinetとの連携などの機能がある。