ソフトを開発しようと思った動機、背景
このソフトに限ったことではありませんが、いつもはもっぱら自分が必要に感じたものを自分が使うためにソフトを作っており、「こんなものができましたけどよろしければどうぞ」といったようないってみればおすそ分け的メンタリティーからソフトをご提供しているのですが、今回の「iBAR」に関してはそれに以下の事情がつけ加わります。私が過去に作ったソフトの中に「iBAR」と似たようなコンセプトのもので「InfoBar」というソフトがありますが、このソフトはHSPのみならずプログラミング自体を覚えたての時期に作ったもので、そのときは実現しようにも技術的に実現できなかったことが多々あり、少しばかり残念な思いをしていました。最近になってようやくソフトを書くことにも少しは慣れてきたかなという感じがしてきましたので、まずはそれに軽くリベンジしておきたかったということがひとつあります。それに関しては「InfoBar」を書いたときに思い描いた構想+αを実現できたので満足といっていいと思います。
それと私は、なぜかパソコンを持っていないときからすでに大のオンラインソフトマニアでした。どのくらいマニアなのかというと、意味もなく本屋でパソコン雑誌をパラパラめくっては、さまざまなソフトの紹介を読んで胸踊らすということをやっていた過去があり、パソコンを持った初日などは展開(解凍)・圧縮の知識もそこそこにパソコンと一緒に購入したパソコン雑誌の付録CDに収録のソフトを端からインストールしては起動して悦に入るという奇行を繰り返しました。挙句、インターネットに接続するようになってからはベクターのスクリーンセーバを上から順にすべて試すという壮大な計画を、無謀にも敢行してしまった程なのです。そんな愉快なパソコン生活を送っている時期に印象に残ったソフトのなかに、アクティブウィンドウのタイトルバーに時刻を表示するソフトやアクティブウィンドウに追従するランチャがありました。
今のオンラインソフト界を見るにつけ、そうしたアイデアは「アクティブウィンドウ追従系」というジャンルを設けて一つに括りたくなるほどに斬新なものとは言いかねる状況になっていますが、それらのソフトを見つけたときの感動は非常に大きいものでした。陳腐化しつつあるとはいえ、やはりアクティブウィンドウというデスクトップの前面に常に表示されている場所にソフトの画面があるということは、アクセスのしやすさや情報の確認のしやすさという点で便利ですし、にも関わらず邪魔になりにくいという意味では非常に優れたアイデアだと思います。
「そんな思い入れのあるジャンルの中で少しでも存在感のあるソフトが作れたら」という気持ちも動機としてはあった気がします。
開発中に苦労した点
毎度のことながらマニュアルを書くのには苦労させられます。マニュアルの記述は簡にして要でありたいとは思いますが、簡略化しすぎると、果たしてこれだけで初心者にはわかるのだろうかと心配になってきますし、かといってくどくど説明しようとすると、文字がやたらに多い、読む前にうんざりしてしまいそうなマニュアルになってしまいますしね。
それから、ソフトに触れてみれば簡単に理解できそうなことでもいざ説明しようとなると難しいということがあります。今回の書式ファイルの編集に関する説明もその一つでした(いま見たら、考えすぎて脳が疲労した状態で書いたせいか不正確な表現がありますね。書式ファイルを記述するのは別に1行目からである必要はありません)。
こんな感じでマニュアルを書くことに関しては苦手意識がありますが、マニュアルを極力読まなくても大体の感覚で使い方がわかってもらえるようなインタフェースになるようには努力したつもりです。
ソフトに関しては意外に思われるかもしれませんが、タイトルバーの情報表示のときに元からあるタイトルバーのタイトルに、「iBAR」で作った情報文字列を付加する処理はちょっとだけ苦労しています。ここをうまくやらないと元々のタイトル文字列を壊してしまったりすることがあるんですよね。「InfoBar」で使ったアルゴリズムは不満が残るできだったので新たに作ったのですが、やっぱりこれ結構大変です。私だけかもしれませんが。
それからあとはさほどでもなかった気がします。強いていうならば表示項目の多さと関連しているのですが、ルーチンワーク的に似たようなコードをいくつも書かなくてはならなかった部分があり、そこが何とも億劫でしたね。
ユーザにお勧めする使い方
デフォルトの更新間隔の値は少し大き目だったかもしれません。どうもCPUにかかる負荷を必要以上に大きく見積もってしまったようです。私は今この値を20に設定して使っていますが、大体このあたりが妥当だと思います。
情報をアクティブウィンドウの上か下に表示している場合のデザインの設定で、フォントをできるだけ小さく、しかし視認性はできるだけ損ないたくないという場合には、多くのカラーの組み合わせが考えられると思いますが、背景にブラック、文字色に明るめのグリーンという組み合わせは文字が小さくても結構見やすくお勧めです。
あと、細かいことですがもしかすると不思議に思う人がいるかもしれませんのでここに書いておきますと、フォントサイズはいったんデフォルトの値から変更してしまうと設定画面からはデフォルトの値に戻すことができなくなります。もしデフォルトのフォントサイズに戻したい場合は、「iBAR」が実行中でないことを確認してから、設定ファイル(iBAR.ini)の該当箇所をメモ帳などのテキストエディタを用いて直接編集してください。デフォルトの値は10です。
今後のバージョンアップ予定
今ざっとマニュアルを見返してみたところ書き忘れたことや明らかな誤記があるので、まずはそれを修整することが必要なようです。
ソフトに関していま頭の中にぼんやりとある案は、実現するかしないかはさておき、以下のものがあります。
- 表示項目の追加:接続速度やディスクアクセスやクリップボードに格納されている文字データのサイズなどの比較的意味のある項目や比較的無意味で趣味的な情報項目の追加。
- アラームや時報機能:これは私自身があまり必要としていない機能であるということと煩雑なインタフェースになることをさけたいという理由から割愛する可能性が高いです。
- タスクトレイアイコンを非表示の状態で実行する機能の追加
- メモリの解放機能:可能性は低いです。
- 不具合の修整:これは極力やります。
(バロック回路)