化け猫のタマと無愛想な主人公の掛け合いが楽しいストーリー重視の短編和風RPG。「満月の夜の姫」は、過去か未来かはっきりしないが、いまよりもずっと日本情緒あふれる生活をしている時代を舞台にしたドラマチックなRPGだ。お伽噺風の物語をコミックを読むような気持ちで気軽に楽しめる。ドラマが中心のゲームで、戦闘などは控え目のため、RPG初心者でも簡単にプレイできる。
化け猫のタマが入口の番をしている山奥の洞窟にいわくありげな若者、鞍春がやってきたところから物語ははじまる。彼は先月、妖怪にさらわれて行方不明になったという羽村の姫君を探しに(というのは口実で、その実、人の姿をした狐の姫に会うために)、妖怪が多数住まうこの洞窟へとやって来た……という筋立て。
このあと、鞍春を見張るためといいながら、なぜか一緒についてきたタマと洞窟内を歩き回り、タマのドジが原因のドタバタ珍道中を楽しみながら、途中で出会う妖怪たちと戦っていく(なぜかタマも協力して一緒に戦ってくれたりする)。
ゲームは「RPGツクール2000」で制作されており、操作法や基本的なゲームの進め方は一般的なRPGと同じ。ただし、ダンジョン内の探索や妖怪とのバトルは比較的シンプルで、あくまでも、戦った妖怪たちの心の中に潜んでいた悩みや苦しみを描くことがゲームの中心となっている。オリジナルCGをふんだんに使って表現される、ボスキャラごとに用意されたドラマシーンが見どころだ。