マシンをアップグレードしたり、Windows環境を再設定するために必要な情報を得るためには、ユーザ側にある程度のスキルが要求されるが、「PCView」を使うことで必要十分な情報をまとめて手に入れることができ、あれこれ悩まずに済む。LAN環境のパソコンの共有フォルダに「PCView」を用意し、各パソコンからLAN越しに「PCView」を実行し、テキストファイルやCSVファイルに出力しておけば、共有フォルダ内に各パソコンのシステム情報を保存できる。また、メール送信機能を使えば、メーカーやソフトハウス、友人などからサポートを受ける際に、必要十分なPC情報を送ることができる。
CPUのリビジョンアップを識別する「Model」や「Stepping」ナンバーなど、自作ユーザの喜ぶ情報を手に入れることもできる。例えば、一口に「Pentium 4 1.5GHz」といってもいくつかのバージョンがあるが、それを識別できる情報が得られるのだ。
そのほか、セットアップ済みソフト一覧も重宝する。スタートメニューに登録されていないソフトで不要なものを見つけるのは手間がかかるが、「PCView」を使えば一目瞭然だ。
筆者は毎年末、「大掃除」と称してハードディスクを初期化し、不要なファイル削除とフラグメンテーション解消を行っている。このような新たに同じ環境を構築するといった場合、設定されているさまざまな情報を何らかの形で書き出して参照する必要がある。そんなときにも「PCView」はぴったりのツールである。
ほかのシステム情報ツールと比較して機能的に遜色はないのだが、希望をひとつ。表示される情報のうち、ユーザが設定を変更できるものには、変更用のダイアログを表示できる仕組みにしてほしい。例えば画面解像度の表示位置に、「画面のプロパティ」へアクセスできるボタンを設ければ、情報を得ると同時に設定変更も可能になる。
ベンチマークテストと同様にシステム情報ツールも英語版のものが多い中、「PCView」は貴重な日本語版のソフトだ。さらなる発展を期待したい。
(永浜 裕之)