今回「MysticMagic」を作る上での一番の目標は、前作「EggStar」になかった画面のスクロールタイプのアクションゲームを作ることでした。開発ツールとして「YGS2000」を使用しているのですが、このツールはDirectXを操作する部分を別のインタフェースで用意し、特に知識がなくても、意識しなくてプログラムを書くことができます。プログラムを記述していくので、作るための難易度は高くなるのですが、そのぶん自分のプログラム能力を試すにはいい素材となります。連続したマップで広い世界を作り上げるプログラムを組むこと、それに挑戦しました。また、このツールを使ってゲームの制作をしている方々に「やれば、ここまでは作れる」というのを示すことで励みになってもらえたら、とも思います。
「EggStar」のときはタイムアタックを目標としたアクションゲームだったので、クリアできる上での時間短縮になってしまうため、どうしても難易度は低くなってしまいました。スコア、時間の要素を一切取り除くことで、難易度を高くし、何度も挑戦してやっとクリアできるようなものを目指しました。自分はファミコン世代になってしまうのですが、当時はクリアできないゲームはたくさんありました。中にはひたすらにやってクリアしたものもありますが、そのときの感覚を再現できればとも思いました。
マップ、敵の動作にはランダム要素を極力なくし、クリアまでがパターン化できるようになっています。しかし、マップを完全にパターン化するのでは、そこに到達するまでの過程は長く、難易度は必然的に高くなります。そこで、プレイヤーの攻略の幅を増やすため、ライフ、魔法、アイテムの概念によって、決まったパターン以外にもクリアできるようになっています。
魔法をステージクリア後に増やすことで、クリアしたステージで残り各ステージの難易度が変わるため、プレイヤーそれぞれにパターンを作り出せるようになったと思います。魔法の取得によって難易度が変わるように、各ステージのバランス調整に時間をかけました。多少なりとも「この武器があれば、このステージは楽になる」というのを表現してみましたが、敵の種類が少ないためか、前面には出せていません。
またグラフィックにも力を入れ、背景、敵ともに、納得がいくまで何度も描きなおしました。
とにかく、一昔前の市販ゲームに負けないのもを目指し、逆にそれが壁となった部分もありました。
魔法には属性がついていますので、敵との相性が会えば一撃で倒すことができます。少なくても効けばノーマルショット以上のダメージはあります。なので、各魔法の軌道と、敵との相性を見つけることで、ステージが有利になります。手に入れた魔法は積極的に使って探してください。ボス戦では武器の相性が前面に出てきますので、弱点を見つけることができます。見つければかなり有利になります。魔法の使い分けが中盤からの醍醐味となり、魅力の一つとなるはずです。
また魔法の使い方、敵の動きがわかってくれば、別のステージからクリアしてみたり、その場所でいままで使わなかった魔法をあえて使用してクリアを目指したりと、チャレンジ要素もあります。別のステージからはじめることで、そのステージの新しい側面を見ることもできるのも魅力となっています。ノーマルショットのみで進めるものよいと思います。その場合の基本は連射です。
選択できる8ステージのプレイ順や各ステージの攻略法は、数回のプレイで見つけることは無理だと思いますので、何度も挑戦してください。何度も遊べる歯ごたえのあるものに仕上がったと思います。
公開後、何名かから「難易度が高くてクリアできない」という声を聞きました。ちょっとやったくらいではクリアできない難易度を目指して調整していただけに、意図通りではあったのですが、中には諦めたプレイヤーもいることと思います。当初、難易度は固定にしたかったのですが、アクションゲームの苦手なプレイヤーに対する配慮として、難易度が設定できるように機能を追加しました。しかし、不条理なミスはないつもりですので、自信のある方や本来の楽しみ方をしたい人は、すぐに設定に頼らず、初期設定で最後までプレイしてほしいと思います。敵のパターンさえ見切れば必ずクリアでき、おもしろくなってくるはずです。
制作、公開までには、協力してくれた方々がいます。敵デザイン、マップ制作、テストプレイ、アドバイス、音楽など、一人ではここまで作ることはできなかったと思います。ここまで作れたことを協力していただいた方々に感謝するとともに、そして生まれたこの作品を自信を持って公開します。ゲームが多くの人の目に触れ、楽しんでもらえれば幸いです。また、プレイ後、感想や要望等をいただけると、次回作への参考や制作意欲となります。ぜひお願いいたします。
「MysticMagic」に関する今後の予定は、完成ということで一段落ついています。なので、バグ等が発見されれば、対処できるものには対応していきますが、新機能追加やステージの追加など、新しい要素が増えることはしないつもりです。バージョンアップの情報はホームページにて掲載、公開していきますので、ホームページの方へ足を運んでいただければと思います。
(D.K)