任意の図形を筆先にできる「スケルタルストローク」機能で、さまざまなタッチの図形を簡単に描画できるドロータイプのグラフィックソフト。「Expression 2」は、直線や曲線などの図形を組み合わせて、デザイン画やイラストレーションを作成するための、ドロー(ベクトルグラフィック)タイプのグラフィックソフト。メインの編集画面はMDI形式で、機能の選択や各種設定はメニューやフローティング可能なツールパレットで行う。ほとんどのツールパレットは、タイトルバーのダブルクリックで本体にドッキング/フローティングできるようになっており、解像度の低い画面でも使いやすい。
直線、長方形、円といった基本的な図形はもちろん、スプライン曲線、ポリライン、フリーハンドラインを利用して、複雑な図形も簡単に描画できる。大きな特徴は「スケルタルストローク」と呼ばれる機能で、簡単にいうと「図形を描画する際の『筆先』の形状として任意の図形を選択できる機能」だ。例えば、ジグザグの波状のパスを描いて、「ストローク」に「矢印」を指定すると、波状のパスに沿って矢印が描かれる。ストロークを「蛇」の絵に変更すれば、パス上に蛇の絵が描かれる、といった具合だ。
ストロークの図形は、単色、濃淡を持つグレースケール、カラーのいずれでもよく、筆先を選べば、水彩画風やエアブラシ風の作画も行える。図形の塗りつぶしは「単色」「パターン塗りつぶし」「2色のグラデーション」から選択できる。
描画パスに沿ってテキストを配置することも可能。ベクター形式で描画されるため、拡大・縮小しても文字が汚くなることはない。あとから文字列の内容を変更することも簡単だ。
レイヤ機能をサポートしており、描画要素ごとにレイヤを分けて作画することができる。描画色に半透明色を設定することができるため、下位のレイヤの内容を透けて見せることも可能だ。
作画の結果は独自のxpr形式で保存できるほか、BMP/JPEG/TIFF/Photoshopなどの主要な画像形式に出力することもできる。また、Illustrator/PDF/EPSの各PostScript派生形式での出力や、Macromedia Flash形式での出力も可能だ。特に、特殊な形式のストロークである「マルチビューストローク」機能を使えば、アニメーション可能なボタンを定義して、Flash形式で出力することもできる。「フラッシュボタン」と呼ばれるこの機能では「通常時」「マウスポインタが重なった場合」「クリックされた場合」のアニメーションを個別に指定できるのに加え、クリックされた際のURLも指定できるので、Webページで利用できるアニメーションや、リンク機能付きのFlashファイルを作成することが可能だ。
Windows版のほかに、Macintosh版もある。