アウトラインプロセッサ機能を備えた文書作成・閲覧ソフト。一般的なワープロやアウトラインプロセッサが持つ文書作成機能に加え、画像やサウンドなどの取り込み機能、メモや脚注の追加機能などを備える。Macintosh版もあり、WindowsとMacintoshで互換性のある文書を作成できる。「Kacis Writer Free」は、レポートや論文、書籍などの文書の作成、さらに電子出版までを見据えた「Kacis」ファミリーを構成する文書作成・閲覧ソフト。製品版からツール類などの一部機能が省かれ、フリーソフトとして提供されている。
機能の中核となるのはアウトラインプロセッサ機能。メイン画面は「目次エリア」と「本文エリア」の二つの領域で構成される。目次エリアの「ヘッド」と呼ばれる欄に見出しを入力し、本文エリアの「ボディ」欄に文書を入力してゆく。選択されているヘッドにかかわらず、すべてのボディが本文エリアに連続して表示されるので、ワープロなどと同様の感覚で文書を読むことができる。ヘッドに複数行のテキストを入力することも可能。ヘッドは階層化することができ、下の階層のヘッドとボディを含めて、ドラッグ&ドロップで順番を入れ替えることができる。異なる文書間でヘッドとボディをコピー/ペーストすることも可能だ。
ヘッドやボディには、「1.」「2.」「3.」や「1-1」「1-2」などのラベルを設定できる。ラベルは自由にカスタマイズすることが可能。設定されたボディの行やヘッドの位置が変化した場合は、自動的に数字がふり直される。「目次」と「本文の見出し」の同期をとる機能や、本文から目次を一括作成する機能などもある。
ボディにはテキストだけでなく、画像、動画、サウンドを取り込むことができる。取り込み可能な形式はBMP/JPEG/GIF/WMF、WAV、MOVなど。動画やサウンドの場合は、取り込んだ位置に再生用のツールバーが表示される。ファイルをアイコンとして取り込むことも可能だ。また、ボディの文書や画像に赤、青、黄などのマーカーで印を付ける機能、メモや脚注を付ける機能も用意されている。メモや脚注は、本文のマークのダブルクリックで参照することができる。逆に、メモや脚注の内容をクリックして、本文の該当する位置を呼び出すことも可能だ。
「Kacis」ファミリーには「Kacis Writer」「Kacis Publisher」などの製品版ソフトもある。「Kacis Writer」はフリー版の全機能に、「Word」「一太郎」などの他形式書類の取り込みフィルタやドローツール、数式エディタなどが追加されている。「Kacis Publisher」は、「Kacis Writer」の全機能に加え、著作権保護機能を備えた電子書籍「Kacis Book書類」の作成機能が追加される。