【吉例】年末・年始特別企画 2001年 最も印象に残ったフリーソフト&シェアウェア |
ベクターソフトニュース - 2001.12.29 |
TOP PAGE > Softライブラリ 秋山 俊|天野 司|安藤 しょうこ|藤田 洋史|福住 護|坂下 凡平|土屋 佳彦 |
安藤 しょうこ ANDOH Syoko 紙 2001 アイデア発想支援 IdeaCard/Nami2000 |
|
扱う情報の大半がデジタルデータになって久しい。従来、情報源として活用していた新聞や雑誌、FAXや郵送で毎日大量に届く各種資料も、めっきり少なくなった。レターナイフはペン立ての飾りになり、我が物顔で小さなオフィスを占領していた厚手のバインダーやスクラップブックも、いまはわずかばかりとなっている。もちろん、必要な情報が減ったわけではない。それどころか、インターネットに依存すればするほど、慢性的な情報過多に陥り、いままで以上に情報管理に頭を抱え込む日々だ。そんなときに出合ったのが、デジタルデータのスクラップブックソフト「紙 2001」である。 「紙 2001」は、ドラッグ&ドロップのみでテキスト情報はもちろん、HTMLファイルなら画像やリンク付きでそのまま簡単に取り込めるのが特徴だ。取り込んだ情報は、1行目がそのまま見出しとして採用され、「箱」の中に「紙」という単位で管理される。「紙」を格納する「箱」は、情報に応じて複数作っておけば、仕分け整理が可能だ。例えば、Web上の情報なら、取り込みたい範囲を選択して、デスクトップ上に表示される取り込み窓にドロップするだけでよい。すると、画像データも含めて自動保存してくれる。呼び出しの手間も、保存操作の手間もまったくかからない。蓄積した情報は「箱」ごとに、自由配列や更新日時、見出し順の3種類のビューを使った一覧表示が可能だ。もちろん、HTMLデータのプレビューも対応する。 蓄積した情報は、すべてそのままの状態で使うとばかりは限らない。管理しやすいよう編集できてこそ、その後の使い道が見えてくる。「紙 2001」では、無制限のUndo/Redoをはじめ、文字のドラッグ&ドロップ、フォント/カラー設定、定型文、文字数カウンタ、改行除去といったエディタ機能を使って、取り込み後の情報を自由に編集することができる。また、数が増えても管理しやすく、情報へのアクセスもすこぶる快適だ。例えば「箱」の中で同列に並んだ情報も、5段階のプライオリティ付けが可能な「ラベル」機能や、ワンクリックでアクセスできる「しおり」機能を利用することで、必要な情報をさっと取り出せるほか、HTMLソースも対象にした全文検索では、タイトル、タグ、ヘッダ情報までくまなく探し出してくれる。 情報を効率よく管理するために使うソフトの操作が煩雑だと、まず継続するのはむずかしい。スクラップブックの効用はわかっていても、いままでの苦い経験からなかなか手が出せない、という人にはぜひ使ってほしいお勧めのソフトだ。
デジタルデータを管理していくうちに、ふと浮かぶのがアイデアやヒントだ。もちろん、前述の「紙 2001」のようなスクラップブックソフトに記録するという手もあるが、アイデアベースなら、並列に並べるよりも、図式化することで情報を整理する「IdeaCard」のようなソフトを使った方が便利だ。 「IdeaCard」は、思いつくままアイデアを記録していき、それをドラッグ&ドロップでグループ化することで、アイデアの整理を行うKJ法的アイデア発想支援ソフトだ。KJ法とは、カードに書き出したアイデアを類型化していくことで、情報を整理したり、テーマの解決に役立つヒントやひらめきを生み出していこう発想法のことで、川喜多二郎氏が提唱したもの。「IdeaCard」は、カードを並べる机をフォームに想定し、アイデアをカードに記入する代わりに、テキストに記述していく。 一見関連性のないように見える思いつきのアイデアも、そこから特性の近いもの同士をグループ化し、小グループから中グループ、大グループへと組み立てていくうちに、漫然としていたイメージが体系化されていく。「IdeaCard」では、テキストのほかに、矢印や記号アイコンを使うことで、より視覚的な効果も得られるのが特徴だ。また、一事一項一カードの面倒な入力作業も、テキストの連続入力により、デジタルならではの操作環境を提供してくれる。操作もマウス中心のドラッグ&ドロップで、使い勝手もよい。 【サンプル画像】 ■アイデア発想支援 IdeaCard:思いつくまま浮かぶアイデアを、一時一項一テキストに記入していく。ある程度まとまれば、それをドラッグ&ドロップで集め、マウスでドラッグして「フレーム」という単位にまとめる
アイデアがまとまったら、今度は実際に利用できる文章へと発展させていく。そのとき、いきなりワープロやテキストエディタで書いていくよりも、アウトラインプロセッサを使って、文章の基本となる骨組み(アウトライン)から組み立てていく方が便利だ。 「Nami2000」は、軽快動作のアウトラインプロセッサだ。ワープロのような派手な文字装飾はできないものの、テキストをベースにしているため、ツリー構造の変更や修正を容易に行えるのが特徴だ。文章をまとめるとき、最初から最後まで一気に書き上げるのは、よほどの神業でも持っていなければ不可能に近い。たいていは試行錯誤しながら、項目を入れ替えたり、文章を手直ししながら、行きつ戻りつ、なんとか流れを作ってまとめていくのが一般的だろう。 しかし、それをワープロでやろうとしたら、コピー&ペーストだけでうんざりしてしまう。また、テキストエディタでは、すべてが同列に並ぶため、全体を俯瞰して捉えることがむずかしい。「Nami2000」は、ちょうどその中間に位置し、とにかくテキストを入力していき、そのあとで、手軽に階層化して整理したり、テキストの編集を行ったりできるという特徴を持っている。また、日本語禁則処理をはじめ、「全角−半角」「大文字−小文字」といった文字変換や、文字装飾、マージンの指定などといったテキスト編集も可能だ。外部エディタを指定しておけば、使い慣れたテキストエディタを使って編集することもできる。 【サンプル画像】 ■Nami2000:画面を左右に二分割。左がページの階層構造を表示するツリー部、右がテキストを編集するエディタ部 |
紙 2001 | |
作 者 | 洛西一周 さん |
対応OS | Windows Me/2000/98/95/NT |
種 別 | フリーソフト |
作者のホームページ | http://www.biwa.ne.jp/~nag/ |
アイデア発想支援 IdeaCard | |
作 者 | 近藤 康彦 さん |
対応OS | Windows Me/98/95 |
種 別 | フリーソフト |
作者のホームページ | http://www11.u-page.so-net.ne.jp/sa2/y-kondo/ |
Nami2000 | |
作 者 | ゆうきひろ さん |
対応OS | Windows 2000/98/95 |
種 別 | フリーソフト |
作者のホームページ | http://homepage2.nifty.com/ultla7/mozart/_start.htm |
上で紹介したソフト(およびその関連ソフト)のソフト詳細ページにジャンプします。ソフト詳細ページからリンクされたダウンロードページでソフトをダウンロードできます。ソフト詳細ページには、作者データページへのリンクもあります。
|