「Wordsworth」は、わかりやすいインタフェースで用語集を作成・管理できる、用語集作成ソフト。「Wordsworth」のメイン画面だけで用語集管理ができるだけでなく、HTML出力機能を使って、作成した用語集をそのままインターネットで公開することもできる。さらに、ワンクリックするだけで該当する用語にジャンプできる関連用語機能があり、使いやすいオリジナル用語集を手軽に作れる。

用語集のデータは「用語」「読み」「説明」「関連用語」「スペル」「更新日時」で構成される。メイン画面には、フォルダツリー、用語リスト、説明文、関連用語リストの四つのペインがあり、登録した用語は、読みをもとにアルファベットや、あかさたなのフォルダに分類・保存される。フォルダごとに登録済みの用語数も表示される（例えば、あ〜おではじまる用語「あ」のフォルダの横に（8）などと表示される）。用語の説明を読みたい場合は、まずフォルダを選択して、そこに分類されている用語リストから参照したい用語を選択する。これで、それぞれのペインに説明文とその用語の関連用語が表示される仕組みだ。

用語の登録は、専用のダイアログで簡単に行える。すでに登録されている用語の一覧から関連用語を設定できるほか、未登録の用語を関連用語として新たに登録することも可能だ。

大きな特徴となっているのが、用語集HTMLの出力機能だ。関連用語をリンクとして出力できるだけでなく、用語登録ダイアログで画像を登録することで、説明ページに画像を表示させることもできる。

出力するHTMLのレイアウトや書式設定はテンプレートファイルで定義されており、このファイルを編集することで、フレームの分割方法や文字色、リンク色、背景色などのカスタマイズができる。テンプレートの編集はダイアログでプレビューを確認しながら行えるほか、テキストエディタなどを使って直接行うことも可能だ。用語リストや説明文用のページをひとつのファイルにするか、分類フォルダや用語ごとに分割するかの設定もできる。

その点この「Wordsworth」はよく考えられていて、関連用語を登録しておくだけで自動的にリンクを張ってくれるし、用語見出しと説明文をフレームで分割するといったレイアウトオプションがあらかじめテンプレート編集機能として用意されているため、レイアウト設定にわずらわされることもない。さらに、ウィンドウ上での編集作業においても、関連用語をダブルクリックで呼び出したり、検索対象とすることもできるため、用語のアップデートや訂正を効率よく行える。このように、Webページ作成の経験がない人でも、用語のピックアップや説明の入力といった本来のコンテンツ作成作業に注力できるのが大きな特徴だ。

ただし、画像やリンクを挿入すると説明文中にタグが埋め込まれるため、画像を入れ換える場合などには手作業による修正（あるいは再出力）が必要だし、テンプレートのデフォルト設定のままHTMLファイルを出力したのでは、タグがそのまま表示されるようなので（記号を特殊文字に自動変換するオプションがONになっているため）、HTMLの知識がまったく不要というわけにもいかないようだ。

手作業での修正といっても古いタグを削除するだけなので気にしない人はまったく気にしないだろうという程度の問題だが、こうした部分がもう少し洗練されるとさらに使いやすくなるだろう。逆に、HTMLの知識がある人ならテンプレートを自分なりに改良して、リンク集作成ソフトなどとして使うこともできる。こうした柔軟性も魅力といえる。

Ver.1.7までは純粋な「用語集」作成ソフトだったのですが、Ver.2からはあらゆるデータ管理（アドレス帳、リンク集など）に対応可能にしようと試みています。

「データ管理ならWordsworth！」といわれるようになるのが目標ですね。

開発中に苦労した点
Ver.1.7からVer.2への作り替えが大変でした。というか、0から作り直しでした。Ver.2の開発中バージョンで、Ver.1.7と比べて10倍近く動作速度が遅くなってしまったことにはびびりましたが、改善策を盛り込んで、なんとか許容できる速度になったと思います。

ユーザにお勧めする使い方
職場での情報共有にぜひ使ってほしいですね。データファイルのマージもできるので、職場のみなさんで分担して調べた情報をまとめて、みんなでWebで見られるようにするといいかも。「こんなふうに使ってます」という報告もお待ちしています。

今後のバージョンアップ予定
現在、データファイルの形式は独自形式（.ww2）とCSV形式にのみ対応しているのですが、ぜひXML形式に対応させたいですね。その前に、Ver.2ですでに発覚しているバグを直すのが最優先です……。要望等あれば、サポート会議室に書き込んでみてください。