「A-Scope」は、設定したURLを巡回してページの更新状況をチェックし、その結果を見やすいHTML形式の一覧表として作成するソフト。巡回するURLのリストは、Internet Explorerの「お気に入り」や、Netscapeの「ブックマーク」から読み込んで作成することも可能だ。調査対象の項目として登録できるのは、URLのほか、タイトルやそのページの説明などで、そのほかにもプロキシを利用して調査を行うか否かや、フレームを利用している場合の調査用代替URLも設定しておくことができる。

登録した調査対象は見やすい一覧表形式で表示され、URL、タイトルなどの項目でソートすることが可能。更新状況の調査を行った結果、そのURLが更新されていれば、更新日時などもこの一覧表に表示される。

「A-Scope」では、サーバの返す「Last-Modified」の時刻から、指定URLが更新されたかどうかを判断するのが基本だが、時刻を取得できない場合は、ファイルサイズを調査して、変化しているものを「更新された」と判断する。更新状況の調査は、登録調査対象を一括で行えるほかにも、前回更新のあったURLだけの調査や、一覧表でのカーソル行まで/カーソル行以降、カーソルのある行のみの調査も行える。

調査した結果は、ブラウザで表示することも可能で、メニューの「ブラウザで表示」を選択すると、リンク集のような形式で結果を表示する。この一覧は「更新された」「サイズが変わった」「更新されていない」「不明」など、更新状況別に色分け表示されるので、非常に見やすい。調査結果一覧の更新状況を見ながら、ページタイトルをクリックしてゆけば、更新されたページだけをブラウズできる、というわけだ。環境設定では「調査が終了したら、URLデータを更新日時で並べ替える」が初期状態で設定されているため、何も設定しなくても、更新日時の新しい順に上からページタイトルが並ぶようになっている。

2回目以降は、前の調査で更新されていたページだけの更新調査をしたり、エラーなどのため調査に時間がかかりすぎる場合はスキップできるなど、アクセス時間短縮のための配慮が行き届いているので、特に、ダイヤルアップでインターネットに接続している人には、ありがたいソフトだろう。

更新調査だけで、自動的にHTMLファイルまで作成してしまい、変更や細かい指定をしたい場合は手動で、というコンセプトは、初心者にも優しい発想だと感じた。

中級者以上の人は、よく訪れるページすべてに自動接続してダウンロードしておき、あとで接続を切ってから見るという“全自動”方式でネットサーフィンを楽しむ人が多いと思うが、この場合、更新していないページも含めてダウンロードしてしまうので、手間はかからないが、実は時間とカネがムダになっている。「A-Scopeが」作成する一覧表は、いわば、自分がよく訪れるページのリストアップになるわけで、「リストから見たいところを選んで、必要に応じて自分で見に行く」という、いわば“半手動”のネットサーフィンをする場合に、効率的に回れると思った。特に、数ページ〜十数ページ程度のホームページなら、この“半自動”の方が意外に効率的なこともあるはずではないか。

さらに、少し手を加えて見出し付きの「リンク集」を作れるのも便利。この機能はユーザからの意見によって追加されたものだそうだ。ただしこのとき、通常設定の場合は、見出し順に並んでしまうので、環境メニューで自動的に並べ替えないように設定する。リンク集作成機能を利用するための、こうした配慮にも好感が持てる。

開発中に苦労した点
五つのホームページの更新状況を同時に調べるために、「マルチスレッド」という機能を使っています。初めて使う手法でしたので、理解できるまで苦労しました。そのほか、プロトコルやプログラムの組み方は、すべてホームページを検索して調べました。一昔前ならば、本を何冊も買う必要があったのに、よい時代になったものです。プログラム手法を公開してくださる方に感謝します。

ユーザにお勧めする使い方
私は、ホームページの更新チェックのほか、オンラインソフトが更新されているかどうかのチェックに使っています。「URL」に、オンラインソフトのホームページアドレスを、「ホームページがフレームを利用しているため、次のURLを調査する」をチェックして、「URL(調査)」にオンラインソフトのファイル名を"http://"から記入します。「A-Scope」はファイルの日付を調べます。サイレントバージョンアップの場合は、“更新”、バージョンアップなどにともないファイルが削除された場合は、“見つかりません”と出てきます。

今後のバージョンアップ予定
常時接続ができるようになって、このソフトもそろそろ意義を失うかもしれません。Windows XPで動かない場合、バグフィックスしたいと思います。