新聞作成に特化したユニークなDTPソフト。「流す」「畳む」といった新聞独自の編集操作に対応し、しかもほとんどの操作をマウスのみで行えるのが大きな特徴だ。「朝刊太郎」は、縦組み新聞を作成するための専用DTPソフト。“新聞専用”を謳うだけあり、テキストの自動整形や半角連数字自動縦表示(数字の組み文字)など、新聞特有の編集に便利な機能が用意されている。
実際に編集を行う際は、(1)段数や本文書体などの紙面の基本設定を行い、(2)記事(または記事+見出し)ファイルを選択して、(3)位置を指定する、というのが基本的な流れとなる。位置の指定では、記事の開始段(と終了段)をクリックするだけで適切に配置してくれる。すでに配置されている記事がある場合でも、空きスペースに適切に並ぶような配置を自動的に行ってくれる。掲載したいテキストが用意されていれば、記事の「流し」はもちろん、「畳む」などの複雑なレイアウトもマウスのみで行うことができるのだ。
発行日や号数などが書かれるヘッダのほか、見出し、画像(+キャプション)の編集は、専用の編集画面で行える。例えば「見出し作成・編集」画面では、新聞風の見出しを簡単に作成できる。見出しの文字サイズは1ポイント単位、扁平書体も1ポイント単位で指定できる。斜体、白抜き、黒抜き、縁取り、影文字といった文字飾りを使えるほか、文字の背景用として、渦巻きや斜め線、井桁など、37種類の効果から選択・設定できるようになっている。新聞でよく見かける、背景画像を円、楕円、四角形などで切り抜く効果も用意されており、プレビューを見ながら細かな調整を行うことが可能だ。画像のトリミング、キャプションのフォントやサイズ、上下の余白なども、専用画面でプレビューを見ながら簡単に指定できる。
新聞作成ソフトならではの特徴的な機能のひとつが、記事に付ける見出しを適切なバランスで配置してくれる「ちどり」機能だ。メイン見出し+メインの左側の小さな見出しからなる二本見出しや、これに、上部の横組み見出しを追加した三本見出しといった新聞独特の見出しも、文字を入力してフォントやサイズなどを指定するだけで、自動的に位置を調整し、作成してくれる。
記事の編集は、内蔵の専用エディタのほか、外部のテキストエディタでも行える。紙面の文字組みと同じ文字数×行数で横組みに表示する内蔵エディタでは、記事の作成や、読み込んだテキストファイルの編集ができる。編集結果は、エディタを閉じることなく紙面に反映させることができるので、行数などを確認しながら文章を調整することが可能だ。
紙面の文字組みは、新聞で用いられる禁則処理に対応しており、句読点や括弧などを半角扱いにして前の文字のマスに入れてしまう「二分詰め」や、「文字間の拡大」とった処理を行うことができる。
用紙は、A1(新聞見開き大)からA5まで9種類のサイズに対応。印刷時には1枚の紙に2ページ分を見開きで出力することもできる。