「キャロム（Carom）」とは、ポケットのない台を使用する「四つ球」「スリークッション」などのビリヤードゲームの総称。この「キャロム4」は四つ球専用のゲームで、その名の通り4個の球を使い、自分の手球（白）を撞き、残り3個の球のうち2個以上に手球を当てて、獲得ポイントを競うというもの。あまり球を散らさず、寄せるように撞く方が有利になるため、コントロール技術が重視される、テクニカルでおもしろいゲームだ。

ショットは、マウスで撞く方向と強弱、球を撞く位置を指定して行う。特に撞く位置は重要で、これによって前後左右の回転（押し/引き/左右ひねり）が加わり、手球を狙いの方向へ動かすことができる。

ゲームモードは、20回撞いて獲得点数を競う「POINTS」、ミスをせずに連続してポイントを取る回数を競う「CONTINU」（CONTINUE）、コンピュータと交互に撞き、20点先取した方が勝ちとなる「VERSUS」の3種類が用意されている。「POINTS」「CONTINU」モードにはそれぞれランキングが用意され、スコアを登録することができる。ルールは、すべてを1ポイントとするルールではなく、当たった球の種類と個数とによって獲得できるポイントが異なるものが採用されている。

最近のビリヤードの主流はナインボールなどのポケットゲームなので、「四つ球」には馴染みのない人も多いかもしれない。しかし、実際にやってみると、ナインボールのような派手さはないものの、自分の手球だけでなく、的球までもきちんと正確にコントロールしなくてはいけないため、奥が深くておもしろいゲームだと感じた。ビリヤードの基本を身につけるのにも最適だろう。

もともと四つ球が好きな人だけでなく、テクニカルなビリヤードの好きな人にはぜひ一度試してもらいたいゲームだ。

対戦相手の友人は、灰皿の側へ行くとゆっくりとタバコを吹かした。俺の番だ。慎重にキューを撞いた。「ナイスショット！」相手の投げやりな言葉が煙を乱す。一喜一憂。友人が難しい球を極めた。

「ナイスショット！」と、今度は俺が声を掛けた。「マグレだよ」。すかさず俺は「いやぁ、センスだよ。ウチワのことだけど」。友人のムッとした顔つきが俺を見つめる。

案の定、友人は次のショットをミスした。シメシメ俺の番だ。ここでショットを極めると有利に立てる。「この間、おまえがいないので、留学帰りの若いヤツとゲームをしたよ」と友人の声。「へぇー、何処から帰ってきたんだい？」と何気なく相鎚を打ったのが命取り。

「それがねぇ。駅前だって」

しまったぁ！俺は友人の顔を見られなかった。とにかく俺は慎重にキューを押し出した。白い球が驚いたように緑の芝生を疾走っていく……。眼が覚めると朝だった。夢は大概忘れてしまうのだが、幸いにも覚えていたので、このソフト「キャロム4」を創った！？

……あなたも夢を見てみませんか？