マスクやレイヤなどの機能を備えたフルカラー対応のペイントソフト。レタッチ関連の機能を省き、シンプルで使いやすいにまとまっている。CGイラストを描くために便利な、ユニークな機能を持つのが特徴。「DoggyPaint」はシンプルな作りで、軽快に動作するフルカラーペイントソフト。描画エリアやツールウィンドウ、RGBで色を合成するカラーウィンドウなどはそれぞれ独立したウィンドウになっており、メインウィンドウのツールバーで必要に応じて表示/非表示を切り替える。
描画関連のツールとして、ペン/消しゴム/ペン入れといった線画ツール、矩形/楕円/直線/折れ線/定規などの図形ツール、ブラシ/エアブラシ/ぼかしブラシなどのブラシツール、塗りつぶしのためのペンキ缶を備える。ペンやブラシの色はRGBの組み合わせをスライダーで指定できるほか、よく使う色をパレットに登録しておくことも可能だ。色は透明度も指定できる。
描画関連のツールのなかでユニークなのは「ペン入れ」と「定規」。「ペン入れ」は、下書きの線をなぞるためのもので、マウスの動きが下絵の線とは多少ズレても自動的に滑らかに補間してくれる。「定規」は、画面上に定規を表示してその輪郭部分をマウスでドラッグすることできれいな線が引けるというもの。直角三角定規と雲形定規の2種類があり、ドラッグで位置や回転角を変えたり、スライダーで大きさを変更することで、自在に線を描ける。いずれもイラストを描くのに便利な機能だ。
選択範囲内の画像に対しては、左右や上下の反転、拡大/縮小、回転、変形などを行える。これらの処理は専用のウィンドウを呼び出して行い、加工後に編集ウィンドウに貼り付ける形になっている。スムージングやアンチエイリアシング処理が可能で、文字の入力もここから行える。
マスク機能は、ドラッグした範囲や特定の色で塗りつぶされた部分を抽出して、マスクする。「描画強度」オプションで強度を最高にすると完全にマスクされ、強度を下げれば薄く描画される仕組みだ。さらに、マスクの一部を溶かす「メルト」(マスク部の上に描画したとき融け出して互いに混じり合うような効果)、マスクの濃い部分がはみ出したようになる「後光」、マスクの強度を強めたり弱めたりする「全体」といった効果が用意されているほか、グラデーションやライトなども利用できる。
レイヤは最大30枚まで作ることができ、レイヤウィンドウのサムネイルでレイヤの切り替えと表示のON/OFFを行える。レイヤの操作は独特で、上位のレイヤにマスクをかけて「マスクブレンド」を指定することで、下位レイヤが透けて見えるようになっている。また、マスクや色の明度の指定値以上や指定値以下の部分だけが透過して見えるようにすることもできる。
利用可能な画像形式は「DoggyPaint」独自のDGP形式とBMP/JPEG。BMPは16色/256色/フルカラーを読み込むことが可能で、フルカラーで保存できる。オプションウィンドウでは、カーソルの形状を8種類の中から選べるほか、カーソル位置をXY座標で確認しながら描画を行うといったことも可能。グリッドスナップを設定することもでき、垂直・水平線を簡単に描くことができる。