「来過」は、コントロールバーに当日の日付と、コンパクトなカレンダーを表示するコントロールバーモジュール。インストールすると、コントロールバーにその日の日付を示す「日めくり」アイコンが追加され、このアイコンのクリックで月単位の「カレンダー」がポップアップ表示する仕組みだ。

カレンダーは、日曜始まりで、日祝日が赤色、土曜日が青色に色分けされた一般的な形式のもの。月単位/年単位の前後への移動は、ボタンから簡単に行える。表示月の旧暦名や西暦年、和暦年も表示される。簡易スケジュール機能もあり、120件までのイベントを登録できる。当日限りの「単発」のほか、「毎週」「毎月」「毎年」といった一定周期で繰り返すイベントも登録することが可能だ。さらに、×年○月の第△金曜日などといった指定の仕方もできる。

イベントが登録された日には日めくりおよびカレンダーにマークが表示されるが、イベントの内容などで使い分けられるよう、色は赤/黄/青の3色、形状は●/▲/×など5種類が用意されている。

なお、祝日は「成人の日」「体育の日」が第2月曜日で年によって変動するハッピーマンデーに対応。春分の日と秋分の日は2150年までサポートしている。

イベント機能でユニークなのが「カウント」と「告知」のオプションだ。カウントは、登録したイベントから経過した年/月/週/日を表示する機能。例えば誕生日をイベントとして登録し、カウントで年/月/週を同時に指定すると、生まれてからの×年○ヵ月△週までが表示されるようになっている。告知は、イベントを知らせる機能で、イベントのある当日、前日、1週間前を指定できる。告知できるタイミングは、システム起動直後、午前0時直後（午前0時にスリープ中の場合は復帰直後）。1週間前から当日まで継続して告知させることもできる。

カレンダーは当月表示が基本だが、ビデオデッキのスイッチによく似たボタンで簡単に前後の月に移動できる。ポインタをスイッチの上に置いたままにすると、月単位または年単位で次々とジャンプしていくのは、ちょうどページをめくるような感覚で使いやすい。

カレンダーを出すとイベントのある日が一目瞭然になるのはもちろん、小さな「日めくり」アイコンだけでも、イベントにつけたマークによって当日イベントの存在がわかるというのもいい。なお、カレンダー上で確認できる「イベント名称」には日本語で100文字まで入力できるので、行事やスケジュール以外に、ちょっとしたメモ（覚え書き）としても使えそうだ。

Mac OSはファイルの取扱やシステムの設定など親和性が高く、カスタマイズ性に富んでいて、とても優れたOSで私は大変気に入っています。ただ、メニューバーの時計表示をクリックすると当日の日付に変わりますが、カレンダーを見るためにはそれなりのソフトを起動することになります。

私はソフトのコード書きのためにPowerBookを使っているのですが、どうにか狭いデスクトップのPowerBookでも複数のソフトを起動したままで、他のソフトの邪魔にならずにカレンダーを表示させることはできないものかと考えました。当時（「来過」のリリースは初版1996年でした）から、PowerBookといえばコントロールバーという狭いデスクトップでも邪魔にならないという優れたアイテムがありました。ここにカレンダーを表示しようと開発したのが「来過」でした。

開発中に苦労した点

コントロールバー項目という、本来はメニューを表示するためのソフト上にカレンダーを表示するトリック要素の高いコードを開発しなければならなかった点や、ころころ変わってしまう国民の休日への対応などには苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方

私は、忘れてはいけない日や忘れたくない日を登録してあります。突然告知される「〜〜の記念の日」に当時を思い起こしてはニヤニヤしたりと……。西暦から年号を調べる……なんて使い方もあるかな。PIM的要素もありますので、日々の予定や、私のようにイベントを設定しておくと便利に使えると思います（繰り返しのイベントや細かな例外の処理もできます）。また、登録ユーザの方は必ず自分の誕生日の設定をしてくださいね。

今後のバージョンアップ予定

現在、バージョンアップ作業中です。多くのユーザの励ましの声やご意見をなるべくたくさん反映したいと思っていますが、開発スケジュールが大幅に遅れています。登録してくださったユーザの方、また、これから使ってみようかという方には、大変ご迷惑をおかけしています。いま暫くお待ちください。

これから使って見ようかな……という方へ

「来過」はシェアウェアですが、インストール後1ヵ月間の試用期間が設けられています。未登録時にも二つのイベントを設定できますので、活用してみてください。デスクトップ機でもコントロールバーをインストールしているなら結構便利ですよ。