特殊な保存形式を使用することなく、テキストファイルのまま編集できる高機能アウトラインプロセッサ。テキストをアウトライン文書として認識するための文法を、ユーザが自由に定義できることが特徴。ログなどを読むためのオフラインリーダとしても利用できる。KELFのメイン画面は「ツリービュー」「エディットビュー」「インフォビュー」の三つのペインから構成される。ツリービューは、文書の階層構造をツリー形式で表示するもので、各セクションのタイトル行が一覧できる。エディットビューは、文書を編集するための領域であり、ツリービューなどで選択されたカレントセクション(KELFでは、文書のひとまとまりを「セクション」と呼び、この単位で文書を管理する)の文書内容が表示される。設定によっては文書のすべてをそのまま表示させることも可能だ。
インフォビューは、KELF独特のユニークなウィンドウだ。全セクションの情報(タイトル、セクション階層、セクション内の行数など)をまとめて表示するほか、検索条件に合致するセクションだけをリストアップすることもできる。必要に応じて、各セクションにマークやコメントを付けておけば、やはり該当するセクションだけをリストアップすることが可能だ。なお、これら3種類の「ビュー」は、ユーザの好みでレイアウトを自由に変更できるようになっている。
KELFでは、アウトライン構造を構築するために特殊な保存形式を使用せず、テキストファイル内に記述された「文法」によってアウトライン表示を行う。文法は、例えば「数字+『章』+全角空白+任意文字(章タイトル)」で「章」を、また「タブ文字+全角空白+数字+改行記号」で「節」を表す、といった具合に定義され、ユーザの好みによって最大900個までの文法を登録し、使い分けられる。あらかじめ10種類のデフォルト文法が定義されているので、これをもとにカスタマイズしてもよい。
編集できるファイルサイズはほぼ無制限。@niftyのフォーラムログやネットニュースのログなどを読むためのオフラインリーダとしても利用できる。漢字コードはShift JIS/JIS/EUC/Unicodeに対応する。
検索機能が強力な点も特徴で、通常の文字検索に加え、複数の文字列をAND/OR検索することができる。もちろん正規表現を使用した検索も可能だ。該当する文字列をひとつずつ検索することも、また一気にまとめて全該当個所をチェックすることもできる(全検索)。全検索の結果は、インフォビューの「全検索ページ」に反映され、該当する文字列が含まれるセクションにすばやくジャンプできるようになっている(ショートカットキーでジャンプすることも可能)。さらに、置換機能ではOR検索ができるため、類義語などをまとめて置換できるのも便利な点だ。
そのほかにも、Perl風パターンマッチングが可能な、C言語風の独自のマクロ記述言語「ATION」を使用したマクロ機能も備えるなど、豊富な機能を持っている。