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ベクターソフトニュース - 2000.02.26
【カナへんげ】 【カナへんげ】 Ver.4.6
かな漢字変換機能と、各種文字・コード変換機能を持つ機能拡張
Macintosh その他(募金ウェア)
「【カナへんげ】」の動作画面
■先走り最長一致単文節変換による漢字変換の例。「とうきょうと」と入力していくと、逐次該当する単語が変換されていく

かな漢字変換機能と、文字やフォントなど、豊富な変換機能を統合した機能拡張。【カナへんげ】本体と、基本辞書・ユーザ辞書の2本の辞書ファイル、さらに美しい日本語変換のための狭幅フォント3種から構成される。

かな漢字変換部の中心は「先走り最長一致単文節変換」による先読み単文節変換。これは、3文字以上(半角英数文字換算)入力された以降、1文字入力されるたびに変換を試みるという方式。さらに、128文字(半角英数文字換算)までの読みを使って、約500文字(1,024バイト)までの長文の登録が行うことが可能だ。

ユーザ辞書への単語登録は、登録単語を【command】+【C】でクリップボードへコピーしておき、単語の読みを入力して【enter】キーを押すことで行える。ユーザ辞書に登録された単語は、変換ウィンドウ上では青色の文字で表示され、メイン辞書の登録単語と一目で区別することができる。ユーザ辞書はパスワードによる簡単な保護設定もできる。

文字変換機能には「美日文変換」「活字変換」「主張する文字」「秘密の変換」「駆逐カタカナ」「ひらカタ変換」「カタひら変換」「英数半全変換」「英数全半変換」「英小大変換」「英大小変換」の11種類のテキスト変換機能がある。いずれも、変換したいテキストをクリップボードへコピーし、「【カナへんげ】制御盤」から、施したい操作を選択して実行すれば、クリップボード内のテキストに対して処理が行われる。あとは、クリップボードからテキストエディタなどにペーストすればよい。それぞれの処理概要は以下の通りだ。
  • 美日文変換:Osaka、平成各ゴシック、平成明朝の3書体のテキストのかな、英文部分を同梱の幅の狭いフォント(Osaka_N、HeiseiMincho_N、HeiseiKakuGothic_N)へ置換することで、可読性を向上させる処理を行う
  • 活字の変換:スタイルテキスト中の特定のフォントを別のフォントへ置換する
  • 主張する文字:テキスト中の文字を【カナへんげ】制御盤にで設定した条件で抽出し、表示する。条件には、1年次〜6年次で学習する教育漢字、常用漢字などといった条件のほか、機種固有文字の指定も行える。出力結果には、該当部分に色付けしたり、スタイルを付けたりといったことができる
  • 秘密の変換:簡易的な暗号化を行う機能。暗号化された文章は、再度「秘密の変換」を行うことで復号できる。暗号化したテキストをメールで送ることも可能だ(ただし、本格的な暗号化ではないので、その点には注意)
  • 駆逐カタカナ:半角(1バイト)カナを全角(2バイト)に変換する
  • ひらカタ変換:ひらがなをカタカナに変換する
  • カタひら変換:ひらカタ変換と逆にカタカナをひらがなへ変換する
  • 英数半全変換:英数字を全角(2バイト)へ変換する
  • 英数全半変換:英数字を半角(1バイト)へ変換する
  • 英小大変換:アルファベット小文字を大文字へ変換する
  • 英大小変換:アルファベット大文字を小文字へ変換する
これらは、クリップボード上の変換結果に対して、さらに別の操作を行うことも可能だ。

reviewer's EYE 長文登録が可能なInput Methodと、文字やフォントの置換が可能なユーティリティが一本にまとまったおもしろいソフトだ。IM部分は、変換効率の高い現在の(市販)IMと比較するのは酷であるが、それでも必要な機能は揃っており、辞書の鍛え方次第で十分実用になる出来だといえるだろう。欲をいえば、ローマ字入力が訓令式になっているので、ヘボン式の入力に慣れているユーザなどのために、カスタマイズの機能があればと思う。また、単語の登録時(クリップボードの単語に対し、「よみ+【enter】」で登録)に、登録が成功したかどうかという表示がないので、ちょっとわかりづらい気がした。もうちょっとインタフェースがこなれれば非常に使いやすいIMになる可能性を秘めていると感じた。

各種変換機能も非常におもしろく、実用的なセットが揃っている。ひらがな、カタカナ、英数、大文字小文字の変換は、文章を体裁を整える上で重宝するはず。また、インターネット上でメールを送る際には「駆逐カタカナ」や、「主張する文字」の機種異存文字チェックなどは便利だろう。また、1〜6年までの教育漢字や人名漢字の抽出など、応用次第では教育用途にも使える可能性を秘めている。

今回はことえりと併用しただけで、他のIMとの相性をチェックする時間がなかったのが残念なのだが、他のIMでできない長文や定型文の変換用としても、そして、各種文字変換ユーティリティとしても使いでのあるソフトといえる。
(宮原 公文)


スクリーンショット》 ユーザが登録した単語は、変換候補一覧で青色で表示される。1,024バイトまで登録できるので、定型文などの登録も可能だ
スクリーンショット》 メニューでは、操作盤の表示をはじめ、各種の文字種/スタイル変換機能の選択や、IMとしての入力設定が行える
スクリーンショット》 制御盤画面。主張する文字では、このような条件を設定できる
スクリーンショット》 主張する文字での変換例
スクリーンショット》 簡単な暗号化が行える秘密の変換での変換例


【作 者】 石橋 義徳 さん
【作者のホームページ】 http://webclub.kcom.ne.jp/mb/ishi/kanahenge/index.html
【補 足】 unicefへの募金を条件に登録コードが発行される。 募金額は特に定められていないが、1,000円程度が目安
ソフト作者からひとこと
■ソフトを開発しようと思った動機、背景

すべての発端はビルマ語のインプットメソドを作ろうと思ったことにあります。苦労してビルマ語インプットメソド完成させた後、培ったノウハウを活用する術はないかと思案した結果、アプリケーションのバックグラウンドで動作する文字変換ツールを作ることにしました。「ことえり」やATOK等に対抗しても勝負にならないので、当初は入力変換(日本語インプットメソド)機能を持たせるつもりはまったくありませんでした。でも、既存のインプットメソドにないユニークな機能を持たせれば、おもしろいものができるのではと思い直し、インプットメソドへの取り組みを行うことにしました。

■開発中に苦労した点

インプットメソドに関する技術情報が非常に少なく、サンプルプログラムも見当たらず、プログラムコードを書くのも試行錯誤の繰り返しでした。デバックとなれば、インプットメソドはOSと密接に関わっているので、通常のアプリケーションプログラムのようにデバッガが使えません。コンパイル→インストール&リスタート→クラッシュ→リスタート→ソース修正・再コンパイル→インストール&リスタートの繰り返しで、とても根気のいる作業でした。頼りとしていた「Inside Macintoshの」誤植で、3〜4ヵ月間五里霧中の状態となったこともありました。

これを救ってくれたのは、Vectorでも公開されている直接入力方式インプットメソッド です。添付されているソースプログラムリスト(アセンブラですが)を眺めていて、パラメータ指定の誤りに気がつきました。もっぱら最初のビルマ語インプットメソド開発時の苦労ですが、今では懐かし く思い出します。今でも苦労していることはといえば、やはりデバッガが使えないことですね。

■ユーザにお勧めする使い方

ありきたりの文字変換機能もありますが、「美日文書変換」や「主張する文字」等のユニークな変換をぜひ試していただきたいと思います。変換対象がファイルでなくデスクスクラップにコピーされたテキストなので、<アプリケーションでテキストを選択・コピー→【カナへんげ】で変換→アプリケーションで上書きペースト>の一連の操作で、直ちに変換結果が確認できます。よって、文書全体でなく部分的な変換を確認しながら行う場合に重宝していただけるでしょう。

インプットメソドに関しては、とても長い読み(ひらがな64文字)で、とても長い単語(日本語500文字以上でタブや改行等を含めてもよい)が登録できる点を活用していただきたいと思います。反復して使用される挨拶文やメールの署名等に利用されたらいかがでしょうか。ユーザ辞書に関しては、読みの部分一致でもヒットさせることができるので、辞書をデータベースとしても利用できると思います。

■今後のバージョンアップ予定

変換精度の向上についても取り組みたいとは思いますが、既存のインプットメソドとの差別化につながるユニークな機能追加をメインにしたいと考えています。具体化していないので表明することはできませんが、いろいろなアイデアが頭の中を駆け巡っているので、お楽しみに!
(石橋 義徳)
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フリーソフト
【カナへんげ】 5.21 色んな意味でユニークなインプットメソド&各種文字変換 (953K)




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