アイデアやメモをツリー形式のテキストとダイアグラム(チャート)の両方で表現できるソフト。階層構造に当てはまらないような関係でも図式化したり、リンクを使って表現したりできる。「iEdit」は、アウトラインプロセッサとダイアグラム作成ソフトの両機能を兼ね備えた、発想支援・情報整理のためのソフト。メイン画面は、
- ノード(見出し)を階層的に管理する「アウトラインビュー」
- ノードの関係を図式化して表現する「ネットワークビュー」
- ノード間の関係(階層構造とは別)を表す「リンクラインビュー」
- ノードに属するテキストを編集するための「テキストビュー」
の4ペインで構成され、それぞれが連携してユーザの“アイデアプロセッシング”を支援する。「アウトラインビュー」は、見出しの階層や順序といったアウトライン構造を操作するためのもの。ツリー上のノードをクリックすると、当該ノードに含まれるテキストが「テキストビュー」に表示される仕組み。「アウトラインビュー」と「テキストビュー」との関係だけを見れば、一般的なアウトラインプロセッサと変わるところはなく、ノードのレベルや順序を変更したり、下位のノードを折り畳んだり、展開したりといった操作を行える。
「ネットワークビュー」は、ノード間の関係を図で表したもの。「アウトラインビュー」上でノードを作成すると、対応するノードが「ネットワークビュー」にも作成される。逆も同様。「ネットワークビュー」上でノードを作成すれば、「アウトラインビュー」にノードが追加される。「ネットワークビュー」に配置されたノードは、ドローソフトのように、自由に動かしたり、文字や枠線の種類、色、枠内での文字の配置などを変更したりすることが可能だ。
ノードは、四角や楕円などの基本的な形状だけでなく、拡張メタファイル(EMF)を使ったシェイプを割り当てることも可能。(フローチャートの)記号や写真などを使ったチャートも作成できる。ただし、ひとつのネットワークビュー(同じ画面)に表示されるのは、アウトラインビュー上で同レベルにあるノード(兄弟関係)だけとなっている。
階層構造以外の関係を表すには「リンク」を用いる。「リンク」は「ネットワークビュー」上ではノード間を結ぶ線として表され、矢印のない線のほか、一方向のみの矢印や双方向の矢印、さらには継承や集約といった関係性を表すことができる。線の太さや色を変更したり、キャプション(説明文)を書き込んだりといった編集を行うことも可能だ。
「リンク」が設定されたノードを選択した場合は、当該ノードに関するリンクの一覧が「リンクラインビュー」に表示され、一覧からリンク先のノードへ移動したり、元のノードへ戻ったりできるようになる。リンクは、他のノードへ設定するほかに、自分自身に設定することも可能。ファイルやWebページのURLなどを登録することもできる。
「ネットワークビュー」上では、ノードの整列や自動レイアウト、関連する(リンクしている)ノードをまとめて移動できる「芋づるモード」などのレイアウト機能を利用することが可能。「MindMap的入力」機能を使うと、新たにノードを作成すると同時に、線を引いてくれる。
作成した文書は、独自のバイナリ形式(*.iedx)またはXML形式で保存することが可能。「ネットワークビュー」で作成したチャートやテキストビュー内の文書を印刷することもできる。そのほか、文字列の検索・置換、データのエクスポート/インポートなども可能だ。